2023年の最初に紹介する本は『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』(ビル・パーキンス(著), ダイヤモンド社, 2020)だ。
正月明けごろにKindle版を読んだ。
ひとことで要約すると「セミリタイアの思想が詰まった本」だ。
つまり「お金より時間が大事」という考え方だ。
「貯蓄を切り崩して使って人生楽しんでも大丈夫」と背中を押してくれる本でもある。
遺産 = ムダ
仕事をがんばってある程度の貯蓄ができたとする。
ならば、体が自由に動くときに使わなければいけない。
特に50歳過ぎの中年以降になると、いつ死ぬかわからない。
死ななくても、意欲が衰えていく。
意欲がなくなるとそんなにお金はいらなくなる。
せっかく貯め込んだお金が「死に金」となり、最悪は「遺産」となる。
仮に遺産が1,000万円だとすると「1,000万円を稼ぐのに要した時間・労力・忍耐がムダだった」ということになる。
健康なうちに金を使え
本書は「お金は健康なうちに使った方がいい」と繰り返し述べている。
健康でいられる時間は限られている。
お金はいくらでも貯め込めるが、時間は(特に健康でいられる時間は)どんどん減っていく。
日本人の2019(令和元)年の健康寿命は「男性72.68歳、女性75.38歳」とのこと。
参照平均寿命と健康寿命 (厚生労働省「e-ヘルスネット」)
上記の数字を参考にすると、70代前半頃までに「貯蓄の過剰な部分」は使い切ってもいい、と思える勇気を本書から与えてもらえた。