デフレ脱却はいつになるのか?アベノミクスの「中間評価」(山崎元のマルチスコープ/DIAMOND online)で「アベノミクス」とはそもそも何なのか、改めて勉強してみた。
アベノミクスは、実質的に「資産価格誘導政策」だ。前記のように市場の「期待」に働きかけて、為替レート、そして株価をはじめとする資産価格を好都合な方向に動かすことが第一段階の効果となる。
株価、ひいては不動産価格を上げて資産保有者の家計を豊かにする、というのが目的の一つらしい。「資産保有者=経営者」である場合が多いので、資産価格が上昇すると経営が安定して賃金上昇につながるかも。
「儲かるのは、一部の企業と金持ちだけだ」との批判の声もあるが、企業が投資することや、株式などを持っているお金持ちがお金を使うと、効果は経済全体に波及するので、その他の人々にもメリットはある。
含み益は使うことはできないが、配当金が増えれば再投資や消費に回る可能性は大きい。「儲かるのは、一部の企業と金持ちだけだ」と批判するのはおかしい。
仕事ができたり、株式などのリスク資産に投資する人が儲かるのは、資本主義社会なら当たり前だ。
むしろ「仕事ができない、株式投資もしていない」人の収入が勝手に上がっていく世界のほうがおかしい。
「難関大学に合格できるのは勉強ができる一握りの奴だけだ」と批判しているようなものだ。
収入増のタイミングが他人とずれたり、金額に差が生じるのが許せないのなら、国民全員に同時に現金を配るしかない。
これは文字通り「バラマキ」になってしまうので却下されるだろう。
「頭は使わない、行動しない、リスクを取らない、でも収入は増やしたい」
こんな虫のいい希望をかなえることは、誰が総理になっても無理だ。