朝起きた時にテレビをつけたらたまたま放送大学でやっていた番組が面白かったのでつい見てしまった。
番組名は「生活知と科学知 第4回」。
番組では「雨乞いすると雨が降る」と信じてしまうメカニズムを解説していた。
投資で言えば「株上がれ、と祈れば必ず上がる」と信じてしまうようなものだ。
株価上がれと祈ったら株が上がる?
上記のようなトンデモ理論を信じる理由は、
「体験」が証拠になるから。
つまり、「雨乞いをしたら雨が降った」経験をした、だから「雨乞いをしたら雨が降る」と信じてしまう。
この考えは間違っているのだが、「雨乞いをしたら雨が降る」と信じこむと、「雨乞いをしたが雨が降らなかったケースの方が多いんじゃないの?」ということに思いが至らなくなるらしい。
つまり、「雨乞いをしたら雨が降る」のは正しいかどうかを検討するには、次の4つのケースを考えなければならない。
①雨乞いをした→雨が降った
②雨乞いをした→雨が降らなかった
③雨乞いをしていない→雨が降った
④雨乞いをしていない→雨が降らなかった
もしケース①がケース②や③よりも多ければ、「雨乞いをしたら雨が降る」のは正しい。
しかし、「雨乞いをしたのに雨が降らなかった」(ケース②)、「雨乞いをしていないのに雨が降った」(ケース③)の頻度を調べることはあまりない。
自分に都合のいい解釈
「失敗例」や「運だけで成功した例」よりも「努力して成功した例」に目を向けたがるのが人情だ。
人間は自分がこうじゃないかと思ったら、それに当てはまる例を予期してそこに注意を向けるようになる。これを人の基本的な心のあり方として「確証バイアス」と言う。
自分に都合のいい結果だけを頭の中に残して生きる……この心のあり方は人間が生きていくのに都合がいいらしい。
なぜなら、
一部分だけを見たり、自分に都合のいい所だけを見て判断すれば、起こりうる事象すべてを考えて判断する必要がないから。つまりスピーディに判断を下すためには、物事の一部分だけを見てサッと判断したほうがいいということだ。
特に、危機が迫っている時に瞬時に正しい判断が必要な場合、起こりうるケースをすべて挙げて判断していては手遅れになる。
とにかく、危なそうなら「危ない」とすぐに判断してすぐに行動しないといけない。
ただ、この人間的な心のあり方が「思い込み」「迷信」「詐欺」「トンデモ科学」につながる。
確証バイアスの例
- 株上がれ、と念じながら野菜のカブを持ち上げたらたまたま株価が上がった→野菜のカブを持ち上げれば必ず株価が上がる
- 特定の宝くじ売り場で1等が毎年出た→この売場では必ず1等が出る
- 平均寿命は80歳らしい、わたしは今30歳だからあと50年生きるだろう