書棚を整理していたら東保裕之著『株式投資これだけはやってはいけない (日経ビジネス人文庫 (と3-1))』という本が出てきたので読んでみた。
株の「損切り」と早期リタイアは似ている。
早期リタイアはサラリーマン人生の損切りととらえることができるからだ。
本書によると、株で大損せずに利益を出すには「損切り」が重要だ。
著者の周囲のディーラーで安定的に利益を出していたのは「損切り」が上手な人だった。
著者が株を買って損を出しても2、3日様子見していたのと対照的に「損切りが上手」なディーラーは、駄目だと判断すると、買ってから数分で処分していたらしい。
わたしは、損切りが遅れるのは次のような3つの理由があると考えている。
- 「損失確定=敗北=恥ずかしい」という思い
- 「ひょっとしたら値上がりするのでは」という淡い期待
- 「銘柄選定ミス」を認めたくない心理
個人投資家はこれらの失敗を公開する必要はないのだが、損切りとなるとちゅうちょしてしまう。
早期リタイアという「損切り」
早期リタイアも「損切り」のひとつだ。
わたし退職を考えてから実行に移すまで5年かかった。
退職したほうが幸せになれるのは明白だと確信していても、「このまま会社にいたらそのうちいいことがあるのではないか」という期待を抱いていた。
結局「心の含み損」は解消されなかったので退職した。
「一生遊んで暮らせるお金が貯まったら辞める」では遅すぎるし、そんな日は永遠にやって来ない。
「含み損」を抱えていると思ったら「早く行動する」しかない。
もし定年まで「含み損」を抱えると決心したら、文句を言わずに組織の指示通りに動き続けるべきだ。
一番いけないのは辞めるのか辞めないのか、どっちつかずで会社に残って文句ばかり言い続けることだ。
「損切り」を上手にやって、人生においても安定的に利益を出し続けたいものだ。
※損切り上手以外で、役に立つと思ったルール
- すべての金融資産を投資に回すな→目一杯勝負ははじめから負け戦
- 自社株依存はバクチと同じ
- 勝率よりも得失点差
- 全勝主義は有害
- 慣れたやり方で投資せよ
- 個人投資家は期限も実績も気にする必要なし
- 目標を引き上げるのが一番危険
- 勉強しすぎるな、真面目な人が一番危ない
- 死んだ子の年は数えるな(売却後の銘柄の価格は見るな、きっと上がっている)
- 迷ったらポジションをゼロに