早期退職の一番の動機、それが
「豊かな老後」のために今を犠牲にするのをやめたい
だった。
豊かな老後?
「豊かな老後」という言葉で思い浮かぶイメージは、
- お金に困らず健康に暮らす
- 年に何回か旅行する
想像力が乏しいので、こんなことくらいだ。
この程度のことを実現するのに「定年まで20年以上も、やりたくないことをやり続ける」というのは、とても受け入れられなかった。
まるで「豊かな老後」を人質に取られているようなものだ。人質を取り返すために「20年以上の黄金の時間」を「身代金」として支払う、こんな不幸があるだろうか。
最近読んだ、染谷昌利『ブログ飯 個性を収入に変える生き方』の次の文も大いに腑に落ちた。
お金が貯まったら、時間ができたら、今の仕事が一段落ついたら……などの理由で、やりたいことができないと嘆いている人をよく見ます。でもそろそろ、あてのない未来のために、今を犠牲にすることはやめませんか。
昔は良かっただなんて、過去を振り返ってばかりではなく、今、この瞬間を楽しく一生懸命過ごすからこそ、素敵な未来につながるのだと思いましょうよ。
(中略)
嫌なことから逃げないで、なおかつ、本当にやりたいこととも正面から向き合わない人が、今の世の中には、とても多いと感じています。嫌なことからは逃げていいんです。やりたいことを、とことんやればいいのです。
嫌なことを続けていて、あなたは幸せですか。苦しくはありませんか。
染谷昌利『ブログ飯 個性を収入に変える生き方』(Kindle版)
退職してわかったこと
早期退職してわかったが、嫌なことをしないですむ最もいい方法は「逃げる」ことだ。変化の激しい時代で「逃げる」スキルがない人は……死ぬ。
「逃げる」という言葉をネガティブに捉えているのなら「去る」と言ってもいい。
あやふやな将来のために今を犠牲にしていると感じたら「去る」べきだ。
今を犠牲にして手に入れた「老後」が豊かになるわけがない。