会社を早期退職してセミリタイア生活を送るときに一番心配なのが
取り崩していい貯金は年間いくらまでか?
ではないだろうか。
貯金を十分用意してセミリタイア生活に突入したものの「お金の心配」をしながらチビチビと貯金を取り崩すのは精神的に良くない。
そんな「お金の悩み」を吹き飛ばす(?)公式を見つけた。
取り崩してもいい貯金額がわかれば、お金に対する将来不安をかなり軽減できる。
1年間に取り崩せる金額を計算
見つけたのは次の記事で紹介されていた「必要貯蓄率の計算式」だ。
参照今いくら貯蓄すべきか一発で分かる『人生設計の基本公式』 (2016.8.17 ダイヤモンド・オンライン「山崎元のマルチスコープ」)
この「必要貯蓄率の計算式」で「老後にお金に困らないために取り崩せる貯金はいくらまでか」を求めることができる。
例として、「45歳、貯金3000万円で早期退職して95歳まで生きる場合」について計算してみる。
こんな人生を想定する。
- 45歳で純金融資産3000万円で退職する。金融資産は現預金と株で持つとする。
- 45~64歳の間は、株の配当金、預金利息、雑収入などで年収60万円を稼ぎながらセミリタイア生活を送る。
- 65歳から年金(年100万円)を受け取り、貯金を全部使いきって95歳の誕生日まで生きる。
取り崩していい貯金は年額84万円
次の数値を記事のp.2で紹介されている公式に入力していく。
x:「現役の生活費」に対する「老後の生活費」の比率 =1 (現役と老後の生活費は同じとする)
Y:可処分所得(手取り年収、円。今後の現役時代の概ね平均を想定して下さい) =60万円
a:現役期間(年数)=20年 (年収60万円を続ける期間が45~64歳)
b:老後期間(年数。なるべく余裕を持って設定して下さい)=35年(65~94歳)
P:老後の定期収入(年額、円。主に年金を想定。Pensionの「P」) =100万円
A:現在の資産額(円)=3000万円
上記の数値を次の式に代入する。
エクセルで計算した結果、S=-1.4となった。
つまり、年金受給前の年収が60万円とすると、取り崩していい貯金は「年金受給前の年収×S×(-1)」なので、60万円×1.4=84万円となる。
よって、年間支出額の上限は、年収+貯金取崩=60万円+84万円=144万円だ。
45歳から年間144万円のペースで使い続ければ、95歳でゼロになる。
年間144万円で不足なら、貯金・年収・現役期間を増やせばいい。
無駄にお金の不安を持たない
この記事で紹介した公式で「取り崩していい金額」を計算して確認しておけば「漠然としたお金の不安」は持たずにすむ。
「最大84万円まで取り崩しても大丈夫」とわかっていれば、安心して取り崩せる。
漠然とした不安を持って「稼がないといけない!」「節約しないといけない!」とあせる必要がなくなる。
公式ではインフレ率は考慮されていないので、今後長期間にわたってインフレが続くと予想するなら、資産額と年収を低めに設定して計算すればいい。
計算が面倒な人のために
「公式がちょっと複雑なので計算が面倒」という人も多いと思う。
そこで、上記例の計算に使ったエクセルファイルをクラウド(OneDrive)で公開した。
貯金、年収、老後生活の期間などの数値を入力していくだけで「取り崩していい金額」がすぐに計算できる。
興味がある人は以下からファイルを閲覧またはダウンロードしてチェックしてほしい。
Check!sample20160820.xlsx