「マイホーム vs 賃貸」
「マイカーを持つ vs 持たない」
という論争がネット上でよくある。
これらの論争は「論理的な議論」にはならず「感情的なケンカ」になる。
ということを『お金の心理術』(多湖 輝(著), ゴマブックス, 2014)を読んで痛感した。
「マイホーム vs 賃貸」や「マイカーを持つ vs 持たない」の論争が「ケンカ」になる理由は、
マイホームやクルマが高価だから。
マイホーム批判は人格攻撃と同じ
マイホームは新築だと安くても数千万円となる。
本書によると、人は高価な買い物をするときは「自我」を深く関わらせているという。
人は、大金を投じて買ったものには、意志決定の過程で、その自我を深くかかわらせている。その品物は、いわばその人の分身でもある。すなわち、その品物を批判されるということは、自我を批判されるということにほかならい。
マイホームを買った人に対して購入したことを批判することは、その人の人格そのものを否定して攻撃するのと同じなのだ。
迷いや不安の末に下した決断を批判すると……
マイホームやマイカーのような高価な商品をを買った人は100%納得して買ったわけではない。
「本当に購入の決断は正しかったのか?」
「賃貸でもよかったのでは?」
「公共交通機関やレンタカーでもいいのでは?」
といったような後悔・迷い・不安が購入後も強く残っている。
そんなネガティブな感情に動揺している人に対し、
「家を買うなんてバカ」
「クルマなんかいらないよね」
なんて言葉を投げつけたら、「清水の舞台から飛び降りる思いをして下した決断」を否定するのと同じだ。
ケンカになるに決まってる。
だから、マイホームやマイカーのような高額商品を買った人に対しては「購入を批判」するような言葉をぶつけてはいけない。
「不毛な争い」を避けたければ。