不労所得といえばネガティブなイメージ
不労所得は英語で”unearned income”というそうだ。earnは「稼ぐ」だから、un-earnedは「稼いでいない」ということか?
ネットで辞書をひくと、
unearned
1〈所得など〉労せずして得た.
用例
unearned income 不労所得.2【限定用法の形容詞】 〈賞罰など〉受けるに値しない,不当な.
用例
unearned praise 過分な称賛.
労せずして得たとか、不当なとか、英語でもあまり良いイメージを持たれていないみたいだ。
不労所得は「何の苦労もなく得た所得」か?
不労所得と聞いて思い浮かぶのが、
利子……預金利息、融資の利息
配当……株、投資信託
賃料……不動産投資
だろう。これらは何の苦労もなく棚ボタのように得られる所得だろうか?これらの所得を得るには「勉強」して「リスク」を取らないといけない。何もせずに得られる所得ではないのだ。不労所得というのは作られたイメージだ。ではなぜ利子、配当、賃料収入が「不労」と思われているのだろうか?
労働の3要件
日本では働く(労働する、不労ではない)の要件は次の3つだと考えている。
①精神的疲労があること
②肉体的疲労があること
③他者から8時間以上「拘束」されていること
なぜ、上記の3要件を満たす必要があるかといえば「第三者から見て客観的に”苦労している”ことが認識できる」必要があるからである。
残念ながら、いわゆる不労所得(利子、配当、賃料等)を得る時にこの3要件をすべて満たすことはない。例えば配当を得るには「元本割れする」リスクを耐える必要があるが、外からその苦労がわからない。他者から見て、
苦労している
ということが認識できない場合、「不労所得」と認定されて不満や妬みを感情を持たれてしまうのである。
いくら高所得でも「不労所得」であれば家族に認めてもらえない悲しいケースがある。
不労年収1000万の息子が「就職しない」と言う
都内大学3年生の息子の扱いに困惑しています。
周りの同期は就職活動をはじめていろいろな説明会へ出向いている時期。それなのに息子は一切動こうとしません。原因は息子がパソコンで生活に足る不労所得を得ているからです。
息子はパソコンに詳しく、3年ほど前からネットで商品を紹介して販売したり、広告をクリックしてもらってそこから収入を得ています。私はそのあたりの事情に詳しくないのですが、一昨年は年収400万円、昨年は年収1000万円を超えたみたいです。確定申告も自分で調べてやっているみたいです。1日中パソコンに向かっているかというと、作業時間は1日2~3時間程度のようです。私もインターネットを趣味で楽しみますが、このあたりは理解ができない領域です。
息子の主張は
週5日朝から晩まで働いて、残業に休日出勤をしても、年収500万ぐらいが良いところ。割に合わない。会社に就職して拘束時間が長くなると、ネットやサイト運営にかける時間がなくなってしまい、今の収入を維持することが困難。就職すると逆に年収が下がってしまう。ネットに集中すれば年収2000万も目指せる。しかし私たち親の意見としては、
今は良いとして、本当に何十年先もその収入を維持できるのか不透明。世間からすると、1日中自宅のパソコンにいて「ニート」のように思われるかもしれない。職歴にはならない。一生、遊んで暮らすつもりなのかと思ってしまいます。親としては、お願いだから普通に就職して普通の人生を歩んでほしい。不安定な道を歩まないでほしいと思っています。「就職する気はない」と言う息子を説得すべきか否か、説得するなら、どう言って説得すべきか。ご教示お願いいたします。
お母様、ご心配はごもっともですが、残念ながらもう「普通=中流」ではなくなってしまったのです。「普通」を目指せば「下流」に流されてしまうのです。20年前であれば、「普通に就職して普通の人生を歩む」ことで誰でも幸福になれたのですが……。
年収1,000万円の仕事を辞めさせて、年収500万円の仕事に就くことを願う……ある意味、面白い国だ。