まだ、サラリーマンをやっていて早期退職を模索していた頃に読んだ本。
米長邦雄『運を育てる (祥伝社黄金文庫)』
本書を読んで、早期退職を成功させるには「お金」も必要だが、それ以上に「運」が大事だと感じた。
幸運に恵まれる条件
著者が息子と息子の友人たちに問う。
「お前たちにとって、この世でいちばん大切なものは何だ」
出し抜けに三人にこう聞いてみた。すると口を揃えて金(かね)だと言う。
「そうか、お前たち、金持ちになりたいか。それじゃ、金持ちになるにはどうしたらいいんだろうな」
三人はしばし考え、思い思いの答えをしゃべりだした。自分で商売をしてうんと金も儲ける。社長にならなければダメだ。……等々である。
(中略)
「たくさん出たけれど、一番大事なものが一つ欠けているようだな。何だろう。よく考えてごらん。とにかく一番大事なものが、お前たちの考えには欠けている」
(中略)
「それはな――」
私は三人の視線を次々ととらえて、口を開いた。
「女運だ。どんなに金持ちになっても、どんなに権力者になっても、周りの女がひどかったら、なんにもならない。こんなつまらない人生はないんだよ。どうだ、お前たち、それじゃあ金持ちになった意味がないと思わないか?」
「女運が大事」といっても、「いい女と結婚しろ」という意味ではない。
女運がある男とは
「女運がある男」というのは、
「最初の女に尊敬される」
ことらしい。
「最初の女」とは、人生で初めて「女」と意識した女性のことだ。
同級生かもしれないし、母親かもしれないし、姉か、妹か、担任の教師かもしれない。
とにかく「最初の女」にほめられて尊敬されれば「運」に恵まれ、お金にも困らない人生を送れるだろう。
リタイアに備えて蓄財に励むだけでは長い人生、味気ない。
「運」の良い人生を送りたいものだ。