『源氏物語』を読んでいると、主人公の光源氏も早期退職して田舎に引っ越していたことがわかって面白い。
光源氏の政敵である右大臣が権力を握ったため、職場である宮中にいづらくなる。
職場で圧力を受けたり、昇進が止まったりする。現代風に言えば、リストラ対象になったようなものだ。
極めつけは、右大臣の娘「尚待の君(かんのきみ)」との不倫が発覚したことだ。
ついに光源氏は都から須磨(現:兵庫県)に退去することとなる。
光源氏は「このまま都にいてもいいことがないだろう。ここはひとまず都から離れて再起を図ろう」、と思ったに違いない。
実際に『源氏物語』を読むまでは、「光源氏は周囲の女性からモテまくった幸福な男」、というイメージがあった。
しかし実際は、不倫という「自業自得」とはいえ、仕事はうまくいっていなかった。
須磨に引きこもった光源氏はどうなるのか、楽しみだ。