みんなSNSから逃げたい?
手帳を買おうと近所の大手書店に行って、ついでに新書コーナーをのぞいたら、
「SNSはもうお腹いっぱい」
「つながらない生活がいい」
といった主張の本が増えてきているように感じた。
Facebookで義理で「いいね!」を押したり、自分に「いいね!」がつかないことに疲れ果ててるのだろうか。
わたしはFacebookをやっていないのでよくわからないが、マジメにSNSをやすぎているように感じる。マジメは疲れるよ。
SNSといっても人間関係を維持するための道具にすぎない。
疲れる大きな原因は本心と逆のことをするからだ。
本当はつながりたくない、別れたいのに、波風を立てないように仕方なく「つながる」作業を延々と続けていれば、そりゃ疲れるだろう。
昔なら相手と別れたら自分だけの時間を持てたが、今は自宅まで人間関係が追いかけてくる。
実名での活動も疲れる?
実名でネットで活動するのも疲れる原因だと思う。
ちょっとした失言、羽目をはずした行動が半永久的に「黒歴史」として残り続ける。
その後の就職、昇進、結婚にも影響を与えるかもしれない。
文字や画像といった「明白な証拠」が残るのだから、取り消したり撤回することができない。
守屋英一『フェイスブックが危ない』(文藝春秋 2012)によると、米国のCareerBuilder.comの調査では人事担当者がSNSで就職希望者の情報を収集しているらしく、次のようなコンテンツが原因で「不採用」としたことがあるらしい。
不採用の理由トップ5
①「飲酒やドラッグ服用に関する情報」(41%)
②「挑発的または不適切な画像・情報」(40%)
③「コミュニケーション能力の低さ」(29%)
④「前に勤めていた会社や同僚についての悪口」(28%)
⑤「資格詐称」(27%)(CareerBuilder.com調べ 2008.9.10)
①、②、④、⑤のような犯罪に近い行為は論外だが、③のコミュニケーション能力まで調べているのか。つまり「文章作成能力」「コンテンツ作成能力」といったアウトプットのスキルまで評価される。実名で活動するということは24時間365日のあいだ就職試験、昇進試験を受けているのと同じなんだな。
じゃあ、Facebookをやらなければいいじゃん、ということにはならない。なぜなら「Facebookのアカウントを持っていない」という理由で不採用になるから。
社会的地位、仕事、家庭を失いたくなければ、ネットでも猫をかぶり続けないといけない……こりゃ疲れるわ。