上司が悪い、納期が短い、もう仕事なんかどうでもいい

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東洋ゴム工業(5105)の「建築用免震ゴム不正問題」について、中間調査報告書がアップされていたので読んでみた。

「建築用免震ゴム不正問題」というのは、建築用免震ゴムの性能検査を担当する東洋ゴム工業子会社が、検査の数値を操作して、不合格品を合格品と偽って顧客に納入していた、という問題だ。

検査結果の数値に「技術的根拠のない恣意的な数値を乗じる」ことで「合格」として出荷していたらしい。

簡単に言えば、体重計で体重を測ったら「適正値」をオーバーしていたので本当の体重に0.8を掛けて「適正」とするようなもの。「0.8」という数字には何の根拠もない。

中間調査報告書では、このような不正を行った動機を当事者(A氏と後任のB氏・C氏)に聴いている。

A氏は、上記問題行為に及んだ動機・背景について、直属の上司の監督が適正でなかったことや、製造部から納期に間に合わせることについてのプレッシャーを受けたこと等を指摘している。

また、後任の B氏及び C氏も、A氏からの引継ぎを受けたことだけでなく、直属の上司の監督が適正でなかったこと等が、上記問題行為に及んだ一つの動機・背景である等と供述している。


不正に関わった担当者に共通している動機は「上司の監督が適正でなかった」ということだ。

つまり「上司が悪い」。

具体的に上司にどんな問題があったのかは不明だ。

報告書では「これらの供述の信用性等について、検証を行う予定である。 」と書いてあるだけなので、不正を行った彼らが言ったことが本当なのかどうかも不明のようだ。

彼らが問題にしている「上司の監督」とは何だろうか?

考えられることをあげてみた。

・不正を行ってでも納期に間に合わせようとしているのに、上司は何もサポートしてくれなかった。
・短すぎる納期について、上司が製造部に掛けあって納期を引き伸ばすなどの調整をしてくれなかった。
・不正を見抜けずに検査結果を承認したのは上司だ。だから上司が悪い。
・納期が短すぎることを何度も上司に訴えたのに、上司は聞く耳を持たなかった

自分は1人で苦しんでいるのに上司は何もしてくれなかった、という意識があるのではないか。

納期が迫っているのに仕事が終わらない、でも製造部や上司に相談したり調整するようなコミュニケーション能力がない、プレッシャーに押しつぶされそうになって被害妄想がつのる。「何で自分ばかりに責任を押し付けるんだ!」、そして不正して仕事を完了したことにする……あくまでもわたしの想像だが。

他人のせいにした瞬間に、自分の仕事でなく「他人事」になる。「他人事」だからどうでもよくなる。

東証1部上場企業なのに、社員のメンタル・モラルが非常に低下しているのではないか。

参照:社外調査チームによる中間調査報告書受領のお知らせ (東洋ゴム工業HP)

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