久松達央『小さくて強い農業をつくる (就職しないで生きるには21)』(晶文社 2014) を読んだ。
家庭菜園をやっているので、最近は野菜栽培や農業関係の本をよく読む。
本書で一番印象に残った言葉が、「20代で土日が楽しみになったら、人間おしまいだ」(p.63)という言葉。
「土日が楽しみになる」というのは「月~金に楽しくないことをイヤイヤやっている」ということなのだ。
土日が楽しみということは……
40代に置き換えると、記事タイトルのように「40歳を過ぎても土日が楽しみなら、人間おしまいだ」となる。
著者は帝人に入社したが4年ほどで退職して農業の世界に転じる。
農業を学ぶために農家で研修するが、だんだんモチベーションが下がってきて、研修が義務のように思ってしまうまでやる気が後退する。
そんなときに、就農準備していたときに先輩に言われた次の言葉がよみがえったという。
「20代で土日が楽しみになったら、人間おしまいだ」。
20代で気づくとはすごい
20代で「土日が楽しみな人生は間違っている」と気づくとはすごい。
休日を喜ぶのは、本業(≒人生)が楽しくないからだ。生活費を稼ぐためだけの仕事を仕方なくやっているだけだ。
本書は農業に転職する人だけでなく、サラリーマンを辞めて、自分や仲間と「何らかの価値を世間に提供」して生きていきたいすべての人に大いに役に立つ本だ。
わたしはセミリタイア中で、いい意味でも悪い意味でも、土日と月~金の区別がない。
<参考サイト>
「自分で自分に重石を」 (久松農園)