ビートたけし『日本人改造論 父親は自分のために生きろ』(角川新書 2015 第4版)を読んだ。
サブタイトルの「父親は自分のために生きろ」という言葉に惹かれて買った。
現状の生き方・働き方に迷っている人、違和感を感じている人にはおすすめの一冊だ。
ただし、本書は1999年出版の文庫版の再編集なので、すでにビートたけしの著作を持っていればダブる可能性があるので注意。
現状維持の無敵キーワード「家族のため」「会社のため」
わたしは父親ではないので、
「父親は自分のために生きろ」という言葉を、
「40歳を過ぎたら自分のために生きろ」
と読み替えた。
要するに、人間は全部自分のために生きているわけだから、父親は自分のために生きればいいんだよ。それを見て、子供も自分のために生きるようになるんだから。
p.124
「家族のためにがんばる」「会社に迷惑がかかるから辞めずに我慢する」という現状維持するための言い訳はやめて、自分のために生きれば、結局それが周囲の幸福につながるんだ。
と、本書を読んで思った。
あと最悪なのは「老後資金が足りないから”仕方なく”会社を辞めずにがんばる」。
足りないのはお金じゃなくて精神的余裕だから。
精神的余裕があれば知恵が湧いて自然に行動力も生まれてくるし、良い縁にも巡り合えるから。
精神的余裕を作るには当面暮らしていけるだけの貯金と自由な時間が必要なだけだ。
どんなにがんばってもふつうのサラリーマンが一生遊んで暮らせる貯金をつくるなんて無理だ。
焦りは禁物だ。
40歳、50歳になってもやりたくない仕事やってるなんて情けない
次の心に刺さったのが次の言葉だった。
ダメなのは四〇、五〇になっても相変わらずで何やってるかわかんない。で、もう年とって働くとこも少ないし、しょうがねえここに骨を埋めようかって一生情けない仕事をやっているのもいるしね。自分で好きでもないことをね。
p.171
会社を退職する直前の自分を思い出した。
「辞める」と決めたものの、
- 上司に退職を申し出るタイミングがない
- いきなり辞めると会社に迷惑がかかるのではないか
- セミリタイア資金が足りないのではないか
と言い訳ばかりしてズルズルと会社に居続けて、無駄に時間を浪費した。
もし辞めなければ、まだ会社で「一生情けない、好きでもない仕事」をやっていたかもしれない。
仕事や会社自体に問題があるわけではなく、わたしの仕事に対する取り組み方、つまり「やりたくないのに仕方なくやっている」「会社を辞めたいのに言い訳ばかりして会社に居続ける」ということに問題があった。
会社を辞めて自由時間が生まれるだけで、こんなに穏やかで、幸福な世界があるとは思わなかった。
2015年9月現在、アベノミクスの好景気(?)で賃金が上がっているようだが、もうサラリーマンの世界には戻りたくない。
辞めてよかった。
※「家族のために」「会社のために」「地域のために」というキレイ事を言うのやめて、自分のために生きよう!
目次
第1章 これが日本人の心意気!?
第2章 セコくてかわいい日本人
第3章 つらいと逃げちゃう日本人
第4章 すがりついちゃう日本人
第5章 どうなっちゃうの、日本?
第6章 やっぱりオイラも日本人