クレジットカードを買い物でよく使うのに、仕組みを詳しく知らなかった。
なので、クレジットカードで買い物をした時にお金の流れがどうなっているのかを学んだ。
参考図書はクレジットカードの専門書『カード決済業務のすべて―ペイメントサービスの仕組みとルール』(山本正行(編著), 一般社団法人金融財務研究会, 2012)だ。
結論を言えば、カード会社はカード会員がクレジットカードを使うたびに儲けている。
例として、焼肉店に行って楽天カードで支払った場合を想定する。
焼き肉を食べてカードで払う
ゴールデンウィークに実家に集まった家族総出で焼肉店に行って、代金10,000円をクレジットカード(1回払)で支払ったとする。
焼き肉を食べて代金をクレジットカードで支払う場合、焼肉店がクレジットカードの加盟店である必要がある。
加盟店になるためには焼肉店がカード会社に加盟店手数料を支払わなければならない。
ネットで加盟店手数料を調べていたら、たまたま「全国焼肉協会」のサイトで、楽天カードの加盟店手数料を公表していた。
「全国焼肉協会」のサイトを参考に、焼肉店がカード会社へ支払う加盟店手数料を3.0%とする(ちなみにJCBは3.70%のようだ)。
焼肉店のレジで10,000円を楽天カード(VISAまたはMaster)で支払うと、カード会社は手数料3.0%の300円が売り上げとなる(ここでは消費税は無視する)。
ただし、楽天カードはカード会員に1%をポイント還元しているので、10,000円の1%の100円分は加盟店手数料から控除される。
加盟店手数料に関しては、カード会員のショッピング取引後、加盟店から当社へ売上データが送信されたタイミングにおいて、決済サービスの提供という履行義務が充足されるため、同時点でクレジットカードの決済金額に一定の料率を乗じた手数料収益を計上しております。また、取引価格の1%分の通常ポイントをカード会員に付与しており、これらのポイント費用は加盟店手数料から控除しております。
出典楽天「第19期有価証券報告書」
カードで支払う消費者は、手数料を3%払って1%還元してもらっているといえる。
国際ブランドへの支払
楽天カードは加盟店手数料300円からポイント還元分100円相当を除いた200円を収益とできるのかといえば、そうではない。
クレジットカードにはVISA、Master、JCB、アメリカンエキスプレスといった「国際ブランド」と呼ばれる決済ネットワークがある。
例えば、カード会員が楽天カード(VISA)で支払ったとすると、カード会社(ここでは楽天)がVISAに「ブランドフィー」と呼ばれる手数料を支払う。
「ブランドフィー」の手数料率は参考図書『カード決済業務のすべて―ペイメントサービスの仕組みとルール』を参照してほしい。
カード会社はどうやって儲けているか
例として挙げた「楽天」のようなカード会社の収入源は、まずは加盟店手数料だ。
3%の加盟店手数料を徴収して、1%をカード会員にポイントとして還元して、国際ブランドに手数料を支払った残りが収益となる。
カード会員がクレジットカードを使えば使うほどカード会社(と国際ブランド会社)が儲かることになる。
もし、年会費を徴収すればさらに財政が安定する。
もっとおいしいのは「リボ払い」のような高額な手数料収入だ。
リボ残高も順調に積み上がったことで手数料収入等が増加しております。
出典楽天「第19期有価証券報告書」
リボ払いの手数料は実質年率15%だ(楽天カードHPより)。
マイナス金利のご時世に年利15%も払ってくれる奇特な人がたくさんいる……カード会社は笑いが止まらないだろう。
※上記は2016年5月5日現在の情報です。