横田濱夫『暮らしてわかった!年収100万円生活術』 (講談社+α文庫, 2004)を読みなおした。
サラリーマン時代に早期リタイアするための参考書として何度も読んだ本だ。
「生活費が年100万円ですむなら、会社を辞めても余裕で生活できそう」と勇気をもらった。
我慢して節約して年100万円に抑えこむのは息苦しい。
毎日を楽しみながら結果的に年100万円におさまるくらいのユルさで生きていくために参考になる。
すぐに支出を年100万円にする必要はない。
「いざとなれば年100万円でも生きていける」という安心感を持つための本でもある。
本書のポイントは3つ。
- 公的年金の活用
- 心を豊かにする節約術
- 年収100万円生活の具体的な内訳
国民年金・健康保険料は払う
サラリーマンを辞めたら厚生年金から国民年金に移行するが、国民年金は「長生きするリスク」を回避するため、満額を払うか、免除制度を活用して、「未払い」とならないようにする。
国民年金は、生きている限り一生涯もらえる、終身年金です。ケガや病気になった場合も、掛け金を納めていないと障害年金がもらえません。国民年金を甘く見ると、最後は自分自身が泣くハメになると思います。
p. 50
わたしは本書で「年金担保貸付」という制度があるのを知った(【2023年4月3日追記】年金担保貸付事業は2022年3月末で申込受付を終了)。
年金を担保として融資が受けられる制度だ。
健康保険は、活用しまくれば民間の医療保険に入らなくても医療費を低コストで抑えられる。
日本人は、一般的に心配性すぎます。将来の病気や入院について、必要以上に臆病です。
結果、いらぬ医療保険に入ったり、必要以上の貯蓄をしたり、といったことが起こります。
p. 56
老後の医療費を心配しすぎて、貯蓄のほとんどが「死に金」になったらもったいない。
心を豊かにする節約術
本書が一番ページを割いているのが「節約術」だ。
- 良い友だちとつきあおう
- 「貧乏宣言」をすればラクになる
といった、サラリーマン時代からできる(早期リタイアするならやっておくべき)節約法が役に立つ。
「貧乏宣言」は他人にするのはちょっと恥ずかしいが、まずは自分に対して「貧乏宣言」する。
つまり、「自由に使えるお金はない!」と自分に対して宣言する。
何千万円、何億円の貯蓄があったとしても。
年収100万円の内訳
本書の最終章に年収100万円の具体的な内訳が提示されている。
注意点は、支出の内訳に「国民年金保険料」が含まれていないので、実際の支出は120万円くらいになると思う。
年収200万円(夫婦二人)、年収300万円(親子四人)の内訳も提示してある。
内訳の具体的な金額は、ここで書いてしまうとネタバレになるから、詳細は本書を参照してほしい。