かなり以前に書いた「資産凍結」に関する記事にアクセスが集まっている。
ロシアがウクライナへの軍事介入を強める姿勢を見せている(2014年3月)。
アメリカは「資産凍結」で対抗するらしい。
ロシアがウクラ...
おそらく、2017年11月の日米首脳会談後の記者会見で、安倍首相が北朝鮮の関連団体・個人への資産凍結を表明したからだと思われる。
参照北朝鮮の35団体・個人の資産凍結へ 首相が表明 (2017.11.6 日本経済新聞)
たまたま「時事ネタ」と合った記事にアクセスが集中したわけだ。
米国政府の資産凍結法
記事では、橘玲『マネーロンダリング入門―国際金融詐欺からテロ資金まで』を参考書籍として、「具体的な資産凍結のやりかた」を説明した。
記事で説明したのは米国政府の資産凍結のやりかただ。
米国政府が資産凍結を行うとき、米国内の金融機関に対して「コレスポンデント口座」の開設・維持・管理・運用を禁じる命令を出す。
米国内の金融機関で「コレスポンデント口座」が使えないと「ドル建て決済」ができなくなる。
日本政府の資産凍結法
日本政府が資産凍結を行うとき、具体的に何をやるのか。
財務省ホームページ「経済制裁措置及び許可手続きの概要」よりまとめてみた。
資産凍結の手順は次のとおりだ。
- 資産凍結等の措置の対象となる個人・団体の指定
- 対象の個人・団体向け支払と資本取引を許可制とする
- 上記の取引を不許可処分とする
例えば、資産凍結の対象となった個人や団体へお金を支払う場合、財務大臣の許可が必要となる。しかし、財務省は不許可処分とする。
なので、資産凍結の対象となった個人や団体にはお金が入ってこなくなる。