最近はYouTubeで「数学系」の動画をよく見る。
特に好きなのは、与えられた条件から整数を求める「整数問題」の動画だ。
最近見て面白かった動画がこれ。
次の問題を1分で解かなければならない。
5n2 – 104n + 323 が素数となる整数nを求めよ。
1分で解いてみた。
ちなみに、素数(prime number)とは「1 より大きい自然数で、正の約数が 1 と自分自身のみであるもののことである。」(出典:Wikipedia「素数」)。
ITを駆使して解いた
受験勉強から30年以上遠ざかっているわたしがふつうに考えて解けるわけないから、「IT」を駆使して解いてみた(笑)。
エクセルで上記の式にnに1, 2, 3, ……と整数を代入して計算していったら、n = 18のとき、
5 × 182 – 104 × 18 + 323 = 71
と出た。
71は何となく1と自身(71)以外のどの数でも割り切れなさそうなので、素数の「におい」がした。
次にスマートスピーカー「Amazon Echo」に向かって「アレクサ、71は素数?」と尋ねてみたら、
「はい、71は素数です」
という返答。
よって、答えは「n = 18」。
正しい解き方
「ITを駆使した解き方」は実社会では正攻法だが受験業界では邪道なので、ふつうに解いてみた。
「因数分解が必要なんだな」と何となく思ったので因数分解したところで1分経過して時間切れとなった。
因数分解すると、
5n2 – 104n + 323 = (5n -19)(n – 17)
となる。
この問題は、
323 = 19 × 17
を知っているかどうかで1分で解けるかどうかが決まる。
動画では「182 = 324」を知っているなら、
323 = 324 – 1 = 182 – 1 = (18 + 1)(18 – 1) = 19 × 17
と即答できると解説していた(112~192の答えは知っておいて損はない)。
323 = 19 × 17 を知っていると簡単に因数分解できて、本問は9割解けたも同然となる。
解答
因数分解ができると、(5n -19)(n – 17) が素数となる整数nを調べればいい。
素数とは「1以上の自然数で1と自身しか約数を持たない数」だから、(5n -19)(n – 17)が「1×●」または「-1×(-●)」であればいい(●は正の整数とする)。
まず、(5n -19)(n – 17) = 1×● のケースを見てみる。
5n – 19 = 1 または n – 17 = 1であればいい。
5n – 19 = 1とすると、n = 4 となるが、 n – 17 = 4 – 17 = -13となって、
(5n – 19)(n – 17) = 1 × (-13) = -13 となる。
-13は1未満なので素数じゃないからダメ。
なので次に行ってみよう。
n – 17 = 1とすると、 n = 18 なので、
(5n -19)(n – 17) = (5 × 18 – 19)(18 – 17) = 71 × 1 = 71
71は素数なので、答えは、n = 18。
今度は、(5n -19)(n – 17) = -1×● のケース。
5n – 19 = -1 または n – 17 = -1となると、どちらの場合も(5n – 19)(n – 17)は素数とならない。
5n – 19 = -1 とすると、n = 18/5 = 3.6となり整数でないから素数ではない。
n – 17 = -1 とすると、n = 16 となり、5n – 19 = 5 × 16 – 19 = 61 となるから、
(5n -19)(n – 17) = -61
とマイナスの数となっているので、素数ではない。
よって、n = 18しか答えはない。
詳しい解説は上記の動画を参照してください。
<参考文献>