55歳の無職独身男が四国遍路の末に得た「将来不安のない財産」

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高野山

コミック『55歳の地図 ―実録!リストラ漫画家遍路旅―』(黒咲 一人(著), 日本文芸社, 2005)を読んだ。

著者は19歳でデビュー以来36年間も漫画家として活躍していたが、原稿の依頼が途絶え、貯金もなくなろうとしていた。

仕事を探しにハロワに行ってみたが、漫画を描く仕事以外の経験がなく、就職はできず。

55歳で「仕事なしカネなし」の状態となる。

漫画以外の道で生きていけるのか……その「道」をさがすために「放浪の旅」に出る決意をした。

「放浪の旅」に選んだのは「四国遍路」だった。

持っていたモノは処分して、部屋の賃貸契約も解除して「55歳無職独身ホームレス」の状態で旅に出た。

自宅を処分して東北に旅に出た『奥の細道』の松尾芭蕉のようだ。

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初見の遍路は無謀な冒険

著者は5,000円で買った中古の三輪自転車で四国遍路に出た。

修理パーツを持たない自転車遍路に、

「修理パーツも持たずに徳島まで~~~~~~そりゃ無茶だよあんたあ」

と地元の人に怒られる。

その後も、放浪の旅は難航を極める。

四国遍路を軽く考えている人は絶対に読んでほしい。

遍路の末に得た「財産」

トラブルに次ぐトラブルを克服しながら、著者は四国遍路を終えた。

わたしは本書で初めて知ったのだが、四国遍路って四国の88のお寺を回るだけでは完成したとはいえず、最後に高野山(和歌山県)に上って「結願けちがん」となる。

四国遍路を終えたといっても、「仕事もお金もない現実世界」に戻ってきただけだ。

しかし、著者はものすごく「幸せ」を感じていた。

四国遍路の末に「財産」を得たからだ。

「得た」というよりその「財産」をすでに持っていたことを「見い出した」と表現した方が正確だ。

「仕事」や「貯金」よりももっと将来の不安を解消してくれる「財産」

その「財産」とは……ぜひ本書で確認してほしい。

本書の読者は四国遍路を追体験できた末にその「財産」を見い出すことができる。

<参考地図:お遍路 八十八ヶ所寺一覧 四国>

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