医学が進歩している時代に民間の医療保険は不利

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いらない保険 生命保険会社が知られたくない「本当の話」』(後田 亨・永田 宏 (著), 講談社+α新書, 2019)を読んだ。

本書の主張は……タイトルのとおりだ(笑)。

もし、民間の医療保険に加入することを検討しているなら一読しておけばムダな保険に入るのを防げる。

「本当に必要な保険」を見抜くことができる。

本書によると、最強の医療保険は「健康保険」だという。

つまり、日本国の国民皆保険制度だ。

民間の保険についてよく知るひとは、「最強の医療保険があるとしたら健康保険」だと口を揃えます。

会社員なら「会社の健康保険組合」や「協会けんぽ」、わたしのような自営業のセミリタイア生活者なら「国民健康保険」が「最強の医療保険」だ。

ちなみに、わたしは医療保険は「国民健康保険」のみで、民間の医療保険には加入していない。

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民間医療保険の本質

なぜ最強なのか。

それは、民間の医療保険が公的医療保険(国民皆保険制度)に寄生した商品だからだ。

民間医療保険は、言葉は悪いですが、しょせんは健康保険に寄生した商売に過ぎません。しかも契約時の健康保険の範囲、つまり、契約時点での医療の中身を基準に作られています。そのため、健康保険の制度が変わるようなことがあると、その効力を失うことにもなりかねません。

もし、将来の国家財政がさらに悪化して国民皆保険制度が改悪されたとしても、民間医療保険の補償が手厚くなるわけではない。

国民皆保険制度という強力なシステムの上に成り立っているのが民間の医療保険だ。

医学の進歩についていけない

もうひとつ、民間の医療保険が不利な点は「医学の進歩についていけない」ことだ。

保険の契約は、当然ながら「契約時の医療制度・医療技術」を前提にしている。

例えば、「病気A」と診断されて入院や手術をすると保険金がもらえる医療保険があったとする。

契約時には「病気A」は入院や手術が必須の病気だったとする。

しかし、医学・薬学の進歩で「病気Aの薬」が開発され、オンライン診療で処方箋をもらって薬を飲めば治る病気になったとする。

となると、「病気A」の入院・手術に備える医療保険では保険金が絶対におりない。

払い続けてきた保険料がムダになってしまう。

「補償が長期間続く保険」ほど、医学の進歩に取り残されるリスクが大きくなる。

もしもの病気に備える方法

民間の保険が制度や医学の変化についていけない「リスキーな商品」だとすれば、もしもの病気にどのように備えればいいのか。

詳細は本書を参照してほしいが、医療費について備えるには「貯金」を推奨している。

多額の保険料を支払うよりも、何にでも使える50万円、できれば100万円の預貯金を持つことです。

「貯金」で備えても「取り崩す」ことに抵抗を感じるひともいるかもしれない。

が、もしものときにおりる保険金も、原資は「払い続けてきた保険料」だ。

「貯金」も「保険金」も同じお金で違いはない。

「貯金 = 自腹を切るからマイナス」「保険金 = 他人(保険会社)からもらうからプラス」と思い込むから「保険金をもらう方がハッピー」と思いがちだが、貯金も保険金もどちらも自腹だ。

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