経済小説&ビジネス書の金字塔、井原西鶴『新版 日本永代蔵 現代語訳付き』(角川学芸出版 2009)に「貧乏に効く薬」が紹介されている。
この薬を毎日服用すればお金持ちになれるというのだ。
「長者丸」と呼ばれるこの薬の処方は、
早起き 5両
家業 20両
夜業(よなべ) 8両
倹約 10両
達者 7両
となっている。
億万長者になるための処方箋
現代風に書くと、
早起き 5万円
本業 20万円
副業 8万円
節約 10万円
健康 7万円
合計 50万円
この50万円の薬を細かく砕いて朝昼晩欠かさずに毎日服用すれば、必ずお金持ちになれるそうだ。
こんな毒は飲むな
あと、蓄財の害になる「毒」を飲まないようにもすすめている。井原西鶴の言う「毒」を一部紹介すると、
- 美食、好色、高価な普段着
- 家族にぜいたくをさせること
- 高額な趣味
- ギャンブル
- 寺社への参拝、後世の安楽を願うこと
- 食事中の飲酒、喫煙
- 目的のない旅行
- 有名人との交際
- 高金利の借金
出典:「煎じよう常とはかわる問薬」 (井原西鶴『日本永代蔵』所収)
この世でお金でどうにもならないのは生・老・病・死・苦の5つだけだ。この5つ以外はすべてお金で買える。だからお金が一番の宝なんだ。
井原西鶴