神永正博『直感を裏切る数学 「思い込み」にだまされない数学的思考法』 (講談社ブルーバックス 2014)を読んだ。
本書で紹介されている、粉飾決算や株価の不正操作が見抜ける「ベンフォードの法則」というのに興味を持った。
もし、妻(または夫)の家計簿がこの法則から外れていると「粉飾」の疑いがあるかも??
ベンフォードの法則
ベンフォードの法則というのは、
人口のデータや、PC内のファイルサイズなどのデータの数字は、161974、14739、1980、1476820、……のように、それぞれの数字の先頭の桁が1であるものが非常に多く、2、3、……、9と数字が大きくなっていくにしたがって頻度が下がっていく、というものです。
p.55
この「ベンフォードの法則」を使えば粉飾決算が見抜けるというのだ。
帳簿の数字、例えば「旅費交通費 1,200円」「水道光熱費 18,000円」など、金額の上1桁が「1」になるケースが多いらしい。
「2」から「9」になるにしたがって頻度が減っていく。
グラフ化するとこうなる。
経理の数字を人為的に操作すれば「ベンフォードの法則」が成立しなくなるため、帳簿の数字がインチキであることがわかる。
わたしの家計簿は粉飾?
早速、自分の家計簿が「ベンフォードの法則」にあてはまるかどうか、やってみた。
過去3年(2012.9.1~2015.8.31)の支出の金額の上1桁の頻度を数えてグラフ化してみた。
ベンフォードの法則、不成立。
特に、金額上1桁が5と8の支出が突出している。
1~4までは法則どおりに右肩下がりのグラフになっているのに。
買い物するとき、5xx円、8xx円のモノを買うケースが多いのだろうか。
具体的に品目を見てみると、上1桁が5は「原付バイクのガソリン代」や「書籍」が多かった。
上1桁が8の品目は……これもまた「書籍」が多かった。
結論
読書好きの家計簿の支出は、金額の上1桁が「5または8」が多い。
※家計簿はわたし自身が見るものなので、決して不正操作はしていない。
【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 直感を裏切るデータ(比率の魔術/平均的日本人 ほか)
第2章 直感を裏切る確率(恐怖の誕生日/ダーツの跡 ほか)
第3章 直感を裏切る図形(ふたと50ペンス/ルパート公の問題 ほか)
第4章 直感を裏切る論理(空間充填曲線/パロンドのパラドックス ほか)