日本人の過半数は「金融知力」なし 自分の金融知力を診断してみよう(2016.2.29 マネーの達人)
という記事を読んだ。
スタンダード・アンド・プアーズ(S&P社)の2015年に実施したファイナンシャル・リテラシー(金融知力)調査によると、日本はファイナンシャル・リテラシーがある人の割合は43%だったらしい。
日本人の過半数が「金融知力なし」という結果となった。
もし、日本人のファイナンシャル・リテラシーは低いとみなされるとどうなるか。
「それなりのクオリティ」の金融商品を売りつけられる可能性が高くなる。
ファイナンシャル・リテラシーの有無を診断する「テスト」も記事で紹介されていたのでやってみた。
問題
問題は5問あった。
≪質問1≫
100万円を借りたとして、返す額は「105万円」と「100万円+金利3%」のどちらが安いか?
≪質問2≫
向こう10年で物価が2倍になると仮定します。所得も2倍になるとしたら、10年後の購買力は今より低い、同じ、高い、のどれか?
≪質問3≫
あなたにお金があったら、1つの事業や投資先に投資するのと、複数の事業や投資先に分散するのとどちらが安全か?
≪質問4≫
銀行に年間金利15%で2年間お金を預けた時、2年目の利息は1年目よりも多いか、同じか?
≪質問5≫
貯蓄預金口座に100万円を入れ金利が10%の場合、全く引き出さなかったとしたら5年後の残高は幾らか。150万円超、150万円、150万円未満から選んで下さい。
わたしの答案はつぎのとおり。
答案
≪質問1≫の答案
「100万円+金利3%」の場合、返す額は100万円×0.03=103万円なので、「100万円+金利3%」の方が安い。
≪質問2≫の答案
物価と所得がともに2倍なので、購買力は同じ。
≪質問3≫の答案
1つの事業に投資して失敗する確率を50%とする。
1つの事業に投資する場合、失敗する確率は50%。
2つの事業に投資する場合、2つとも失敗する確率は50%×50%=25%。
3つの事業に投資する場合、3つとも失敗する確率は50%×50%×50%=12.5%。
このように投資先を増やしていけばいくほど「全滅」する確率は下がるから、「複数の事業や投資先に分散するほうが安全」といえる。
≪質問4≫の答案
元本100万円を銀行に年間金利15%で2年間預けたとする。
1年後の残高は100万円×1.15=115万円なので、利息は115万円-100万円=15万円
2年目の利息は115万円×1.15=132.25万円なので、利息は132.25万円-115万円=17.25万円
よって、2年目の利息は1年目よりも多い。
≪質問5≫の答案
元本が100万円で金利が10%なので、5年後の残高は、
100万円×1.15≒161万円
よって、150万円超となる。
解答
≪質問1≫ 100万円+金利3%
≪質問2≫ 同じ
≪質問3≫ 複数に分散
≪質問4≫ 2年目の方が多い
≪質問5≫ 150万円超
「金融知力」を上げる本
ファイナンシャル・リテラシーを上げるために活用した本が、『お金持ちになるやさしい利回り計算練習帳』(角川総一(著), 中経出版, 2006)だ。
タイトルのとおり、色々なパターンの利回り計算を学べる。
預金の利息計算だけでなく、債券、株、投資信託、不動産の運用利回りの計算もできるようになる。
例えばこんな問題が解けるようになる。
Gさんは銘柄Sを600円で購入、1年目の配当は12円、2年目は15円、3年目には16円の配当を手にした。そして3年後に840円で売却した。この通期の儲けを%で示すといくらか。また1年平均ではいくらになるか(単利=年平均利回りの方式で)。
p.64
111ページの薄い本だけど、一通り読めば「金融のプロ並みの計算力」が身につく、非常にお得な本だ。
中経出版
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