岡田尊司『働く人のための精神医学』 (PHP新書 2013)を読んだ。
わたしが「セミリタイア資金」を作れたのは、計画的に貯金したり株式投資に成功したわけではなく「性格」によるものかな。
と、本書を読んで感じた。
欲がなければ自然に貯金できる
本書にある「パーソナリティ障害」の説明で、「シゾイドパーソナリティ障害」というのがわたしによくあてはまる。
シゾイドパーソナリティ障害は、社会的な関心が乏しく、親密な対人関係を避け、孤独を好み、世間的な価値観から超然としているタイプである。性的な関心も乏しく、生涯独身の人も多い。名望や金銭に対する欲もあまりなく、世捨て人や自然のなかで生きる生き方に憧れる。
p.115
うーん、けっこうあてはまる(笑)。
収入を増やしたい欲がないけど、それ以上に「お金を使いたい欲」がない。
昔の言葉で言えば「義理欠く、恥かく、人情欠く」があてはまると思う。
だから自然に貯金ができた。
40歳を過ぎて、貯金がセミリタイアしても何とかやっていけそうな金額になったから、早期退職した。
単にそれだけ。
成功よりも平穏な日々
シゾイドパーソナリティ障害の人との接し方について、本書ではこのように説明している。
このタイプの人は、人と関わることに喜びよりも、負担や苦痛を感じてしまいやすい。周囲の人は、孤立的に振る舞う生き方に、もどかしさや歯がゆさを感じ、もっとみんなと楽しめばいいのにと思ってしまいがちだが、それは、草食動物が、肉を見ても、ご馳走だとは思わないのと同じである。
p.116
「人付き合い=楽しい」という「常識」で無理に飲み会などに参加させようとすると、シゾイドパーソナリティ障害の人は「苦痛」を感じてしまいやすい。
こちらの「常識」で判断して、親密になろうとしたり、社交的なライフスタイルを押しつけても、それは、本人が苦痛に感じるだけだ。
p.116
そうそう、そのとおり。
極めつけの「草食系」であるこのタイプの人にとって、世間的な成功や幸福よりも、雑事に煩わされない平穏な日々が大切なのである。
p.117
「世間的な成功や幸福よりも、雑事に煩わされない平穏な日々が大切」というのは、まさにわたしの人生の目標そのものじゃないか。
自分の性格を知って無理をしないことが大事
本書は『働く人のための精神医学』というタイトルが示すとおり、主に職場で無理難題をふっかけられて耐えているサラリーマンが対象だ。
自分の「性格」を知って「仕事で無理」をしないためにはどのように行動すればいいか、ヒントが満載だ。
サラリーマン時代に本書を読んでおけば(といっても出版日が退職後なので無理だが)、もっとラクに働けていたかも。