高校時代、「サラリーマン生活の理想」を描いた詩に出会った。
漢詩だ。
参照『香炉峯下新卜山居(香炉峰下、新しく山居を卜し~)』 白居易 書き下し文・現代語訳(口語訳)と解説 / 漢文 by 走るメロス |マナペディア|
高校時代にこの詩を読んで「こんなサラリーマン生活が送れたら最高」と思った。
内容を細かく説明すると漢文の授業みたいになってしまうので要点だけ書く。
悠々自適な左遷生活
まずは漢詩の現代語訳を上記のサイトから引用する。
日が高く上るまで眠ったというのに、それでも起きるのがおっくうだ
小さな部屋で布団を重ねているので寒さはどうってことはない
遺愛寺の鐘の音を、枕から耳を立てて聞き
香炉峰に降る雪は、すだれをちょっと上げて見てみる
廬山は煩わしい俗世間の名声や名誉から逃避するにはもってこいの土地だ
司馬という官職は、老後を送るにはふさわしい役職である
心が落ち着き、体もやすらかになる、それこそ人の行き着く土地であろう
故郷というものは、どうして長安だけにあろうか(いや違う)
出典『香炉峯下新卜山居(香炉峰下、新しく山居を卜し~)』 白居易 書き下し文・現代語訳(口語訳)と解説 / 漢文 by 走るメロス |マナペディア|
詩の作者の白居易は中国の唐王朝の役人だった。
「司馬」という役職に左遷され、地方に飛ばされた。
左遷先は田舎でヒマなので、上記の詩のように昼前まで寝て、布団から雪景色を見るような役人生活ができた。
日が昇っても役所に出勤せず、布団の中からのんびりと雪景色を見ながら「司馬という官職(閑職)は老後を送るのに最適」と思う。
わたしは高校時代に「これが理想のサラリーマン生活だ!」と思った。
仕事はしなくていいし、「役人」という肩書きを持ち続けられるので「世間体」が維持できて、しかも給料がもらえる。
最高やん。
セミリタイア生活の理想でもある
残念ながら、サラリーマン時代は詩のように「出勤せずに昼前まで寝る」ような生活はできなかった。
早期退職後、「ヒマこそ心の安らぎ」と実感することができた。