セミリタイア成功の鍵は「貯金」より「性格」だった。
先日、『9つの性格 エニアグラムで見つかる「本当の自分」と最良の人間関係』(鈴木秀子(著), PHP研究所, 1997)を読み直した(現在は文庫化されているが読んだのは単行本)。
「エニアグラム」解説書のベストセラーである本書は、わたしがセミリタイア向きの性格だと確信するきっかけとなった本だ。
「エニアグラム」とはギリシャ語で「9」を意味する「エネア」と「図」を意味する「グラム」の合成語だ。
単なる「性格占い」ではない。
人間の性格を9つのタイプに分類して、アメリカの有名企業(GM、AT&Tなど)で人事や組織運営に活用されているそうだ。
初めて本書を読んだのはサラリーマン時代で、「わたしはやはり会社員には向いてない。セミリタイア向きだ」と強く思った。
ちなみに、わたしは「エニアグラム」の分類では「タイプ5」だった。
なぜ「タイプ5」は「セミリタイア向きの性格」といえるのか?
この記事で本書を読んでいきながら説明したい。
(もし、自分のエニアグラムのタイプを診断したければ「エニアグラム 診断」で検索)
タイプ5とはどんな性格か
タイプ5の大きな特徴は「孤独を好む」という性格だ。
孤独な時間と空間を確保してひとりを楽しむのが大好き。
しかし、「人間嫌い」というわけではない。
他人と会って時間・空間を共有するより、ひとりで「他人との思い出」に浸る方が好きなのだ。
例えば、飲み会があっても「不参加」か「早く帰る」のを好む。
「タイプ5」にとって飲み会は短時間で1回やれば十分で、毎年の忘年会のように同じメンバーで何回もやる必要はない。
経済的自立を目指す
タイプ5は自立心が強い。
彼らは他者の好意を得ようとせず、自由なポジションを好み、特に経済的な自立を志す。
p. 155
「経済的自立」はセミリタイアにとって最重要ポイントだ。
理由は2つある。
- 空虚さへの恐怖……物欲を持ちすぎると心が空虚(いつまでも満たされない)になると恐れ、「清貧」で成り立つ自立を目指そうとする
- 他者からの自立……他者(国・会社・他人など)に経済的に依存すると自己の内面やプライベートに過剰に介入され心を乱される
なるべく他者に依存せずにプライベートを確保するには経済的に自立していることは重要なのだ。
タイプ5とお金
タイプ5の「経済的自立」は「莫大な貯金をためこむ」ことではない。
「一生遊んで暮らせるお金」がたまるのを待っていては人生が終わってしまう。
お金とは自由を手に入れる手段に過ぎない。
自由が手に入る必要最小限のお金があればそれでいい。
金銭はプライバシーやよい環境、自由な時間などを手に入れる手段であり、それ以上の出費は、好ましくない。
その代わり、知的な活動には、時間も労力も惜しまない。
彼らが、もっとも執着するのは、人や物ではなく知識だ。
p.156
ひとりのプライベートスペースで知的活動(読書・思索など)をできるだけのお金があればいい。
まとめ
- 孤独が好き
- 経済的自立志向がある
- 低コスト生活が好き
- ひとりでできる知的活動が好き
という性格だから、「タイプ5」はほっといても会社を早期退職してセミリタイアしちゃうのだった。
めでたしめでたし。