古代の官僚は働かなくても食えるからサボりまくった

シェアする

スポンサーリンク

古代日本の官僚 天皇に仕えた怠惰な面々』(虎尾 達哉(著), 中公新書, 2021)を読んだ。

古代の官僚(特に下級役人)のサボり方がすごい。

わたしが印象に残った「サボり」は次の4つ。

  • 天皇臨席の儀式を無断欠席
  • 天皇臨席の宴会を無断欠席
  • 天皇臨席の辞令交付式を無断欠席
  • 報酬の支給日に欠勤(報酬を受け取りに来ない)

「古代」というのは、壬申の乱に勝利した天武天皇の治世以降を指す。

日本史の教科書では「天皇の権威が高まった」と紹介される時代だ。

実態は、下級役人たちは天皇が出席される儀式や宴会を平気で無断欠席した。

現代に例えると文化勲章授賞式や宮中晩餐会に呼ばれたのに無断欠席するようなものだ。

スポンサーリンク

辞令を受け取らない&地方転勤を拒否

サボりの3つめ「辞令交付式を無断欠席」もすごい。

「辞令交付式」といえば、現代の役所や企業なら、組織の長から辞令が直接手渡される重要なイベントだ。

が、古代の役人は欠席した。

交付式には天皇陛下も出席されているのに!

転勤を拒否する豪の者(?)もいた。

理由は「ずっと都会暮らしだったので、地方に行くのはいやや」。

今の役所や企業で転勤を拒否して辞令交付式を無断欠席したら、懲戒免職(企業なら懲戒解雇)だろう。

報酬を受け取りに来ない……なぜ?

サボりの4つめの「報酬を受け取りに来ない」というのは不思議に感じた。

「仕事はしたくないけど報酬は欲しい」というのが人情だから。

仕事はサボっても、報酬の支給日だけは出勤してしっかりと受け取るんじゃないの……とわたしは思ったのだが。

古代の下級役人は上級役人のように「給与」が支給されなかいかわりに、「食料」が支給された(月料という)。

だがしかし、下級役人の報酬として支給される食料を受け取りに来ないのだ。

理由は簡単で「無報酬でも食うのに困らないから」だ。

働かなくても食えるから、役所に出勤しなくても、仮に役所をクビになっても痛くもかゆくもないのだ。

古代の下級役人はなぜ働かなくても食えるのか……ここで書くとネタバレになるので本書を読んでください。

本書を読むと現代日本のサラリーマンがいかに勤勉かがわかる。

スポンサーリンク

シェアする

twitterをフォローする
twitterをフォローする

ブログを購読する
ブログを購読する

follow us in feedly RSS