「貯蓄1,500万円でFIRE」は可能か?
「めざせサイドFIRE!好きなときに、好きな場所で働く自由な生活。副業で5万円稼ぐことができれば、経済的自由にぐっと近づく!実現した人気YouTuberが秘訣を公開」(2022.7.7 PR TIMES)
というプレスリリースを読んだ。
投資系YouTuberぽんちよ氏の著書『めざせサイドFIRE! 個人で生きぬく副業入門』の紹介記事だ。
プレスリリースによると「退職後も月10万円の労働収入があれば貯蓄は1,500万円あればいい」とのこと。
根拠は次のとおりだ。
1,500万円でサイドFIRE
退職後の生活費は年180万円(月15万円)と見積もっている。
労働収入は月収10万円、つまり年収120万円だ。
年間収支は、120 万円 – 180 万円 = ▲60 万円
となり、年間60万円の赤字となる。
赤字を補うのが「資産運用」だ。
貯蓄1,500万円を年4%で運用すると、年60万円の運用益となる(1,500 万円 × 4 % = 60 万円)。
よって、年間収支は、
120 万円 + 60 万円 – 180 万円 = 0
となり、収入の範囲で生活できるから「FIRE達成」となる。
月収10万円の労働は継続可能か
わたしがこのプレスリリースを読んで心配に思った点が2つある。
ひとつめは、
「月収10万円の労働を年金受給年齢まで続けないといけないのか」
だ。
セミリタイア生活の片手間でできるような仕事ならいいが、「労働中心の生活」となってしまえば「サラリーマン生活と同じ」だ。
心配点のふたつめは、
「1,500万円を絶対に取り崩せない」
だ。
貯蓄の1,500万円は「資産運用の種銭」だ。
運用で最低でも年60万円を稼ぐ必要がある。
突然の高額出費があるからといって安易に取り崩せない。
「貯蓄を減らさないため」という動機で働き続けないといけない。
経済的に余裕を持たせるには「支出を減らす」「収入を増やす」などが必要だ。
ただし、「収入を増やす」に走ると仕事量が増えて結局サラリーマン時代と同じような生活に逆戻りしてしまうので悩ましい。
改善案
わたしなら、FIREの目標貯蓄額を2,000万円として、退職後は1,500万円で運用して500万円は「予備費」として現預金で持っておいて突発的な高額出費に備える。
「じゃあ、2,000万円貯まったら会社をスパッと辞めるのか?」
と言われたら……2,000万円では少なすぎて辞めないと思う。
「少なすぎる」というのはあくまでもわたしの主観に過ぎないが。
(わたしが40代前半で早期退職したときの貯蓄額は2,000万円をはるかに上回っていた)