アフィリエイトやアンケートで報酬が発生すると、通常「ポイント」で受け取る。
現金で収入を得れば所得税が課せられるが、ポイントの場合はどうなるのか?
ポイント収入は非課税?
例えば、楽天ポイントやAmazonギフト券だと、ほとんどなんでも買える。
「買い物」に使うだけなら、ほとんど現金と同等の価値を持つ。
現金化することなく商品と交換することで日常生活が送れる。
つまり、有効期限があることを除けば、現金と変わりなく使える。
ネット通販がメインの生活だと、日用品はほとんどポイントだけでまかなえる。
「現金≒ポイント」ならポイントを取得した時や使用した時に課税されるのかという疑問が生じる。
ポイントについて税務当局の見解を示した資料がひとつだけ見つかった。国税庁HPの「税務大学校論叢58号」という資料で、税務大学校の研究論文、判例研究、租税資料論だそうだ。資料の結論を引用すると、
①ポイントの発生、発行、付与時は不課税
②ポイントの流通(企業間、消費者間、消費者と媒介業者間)では、交換、売買ともに非課税(企業間での新規発行は①の不課税と同取扱い)
③ポイントの利用(消費者と発行企業(提携企業を含む)間)では、
- 景品交換は不課税(景品の仕入れは課税取引)
- 商品券交換は不課税(商品券利用時は課税取引)
- 電子マネー交換は不課税(電子マネー利用時は課税取引)
- 現金交換(キャッシュバック)は課税(対価の返還) (提携企業の場合は不課税)
- 値引割引(支払代金の控除相殺)は不課税(差額支払金額の対価が課税取引)
④ポイント利用に係る提携企業からの請求等は、
- 支払側は課税(販売促進費)
- 入金側は不課税
⑤ポイントの期末残高は対象外
資料を読み解けば、ポイントで報酬をもらえば不課税。現金化した時に所得とみなされるみたいだ。
例えば年収が500万円として、報酬をすべて現金でもらうのではなく「現金50万円、ポイント450万円分」でもらった場合、杓子定規に解釈すると課税所得は50万円となる。
年収50万円なのに500万円の生活ができてしまう。
もちろん、ポイントを現金化すれば(つまり、買い物で使用すれば)その時点で「所得」とみなされるから雑収入として計上しなければならない……と書きたいが、まだもやもやしている。
残るもやもや
日本国におけるポイントの定義については、上記資料で以下のような国会の答弁を紹介している。
平成15年4月23日衆議院経済産業委員会において、民主党中山義活代議士の、「ポイントカードは景品か、値引きなのか明らかにしていただきたい。」という質問に対し、公正取引委員会竹島委員長は、「公取としては、これは値引きである、景品ではない、値引きであるという扱いをさせていただいております。また、その旨も世の中に明らかにさせていただいているところでございます。」と答弁している。
国の見解では、ポイントは商品を購入した際に発生する値引きなのだ。
「ポイントだけで購入する」というのは100%値引きで購入することになる。
これが「もやもや」の原因だ。
ポイントだけで購入した場合、ポイントは収入として課税の対象になるのか、それとも店から商品をタダでもらったことになるから非課税なのか……。
税務署に質問しても署や担当者によって色々な回答がありそうな問題だ。
<参考資料>
マイレージサービスに代表されるポイント制に係る税務上の取扱い-法人税・消費税の取扱いを中心に-(税務大学校論叢58号)