ずっと昔、テレビで主婦向けの離婚対策番組を観ていたら、女性の離婚カウンセラーが
定年離婚だけは絶対にやめてあげてください
と言っているのがずっと頭の中に残っている。
理由は
非人道的だから
定年退職というのは仕事を失うことだから、男性は生きがいを失い落ち込むケースが多いのだそうだ。最終出勤日に職場を後にして帰宅したら妻から「離婚」を告げられる。
失業と離婚、二重のショックに耐えられる男性はそんなにはいない、自殺の可能性が非常に高くなる。
だから妻が夫に「定年離婚」を突きつけるというのは「非人道的だ」というわけだ。
同一日に仕事と家族を一気に失って正気でいられる男はよほど強靭な精神の持ち主か、あまり仕事や家族に執着心がないか、どちらかだ。
離婚となると退職金や年金も持っていかれる可能性があるので「お金」も失うことになる。リタイア後の人生設計が根本から狂うことになる。
リタイア後のシミュレーションに「慰謝料」「年金分割」を考慮に入れるのは難しい。「もし離婚したら慰謝料はいくらぐらい請求する?」なんて訊けない。