働きたくない者は、食べることもしてはならない
新約聖書「テサロニケ人への手紙 第二」3章10節
「働かざるもの食うべからず」の由来と思われる、聖書の言葉だ。英文では、
If anyone would not work, neither should he eat.
勤労が義務である理由
「働きたくない者」というのは、「病気や高齢などの理由で働けない者」以外で「働く能力があるのに働くことを拒む者」という意味ではないかと思う。
聖書の時代は現代と違って圧倒的に「モノ不足」「食糧不足」の時代だ。
生きていくのに必要なモノや食べ物は、老若男女問わず村人総出で文字通り「額に汗して」働いて作り出さないと需要に追いつかなかっただろう。
今と比べて貨幣経済が発達していないので、物々交換のために必要なモノを自分で作らないといけない。
パンが欲しければ、パンと交換できる何かを自分で作らないといけない。
「働けるのに働かない者」は負担であるばかりではなく、許せない存在だったに違いない。
働く必要性が薄れる現代
現代はみんなが額に汗して働く必要はない。
「モノ」も「食糧」もあふれているので、カネさえ出せばいつでも手に入る。
特に日本は「モノ」が多すぎてデフレで困っていた。
今は「働く」ことは「カネ」と交換可能になっているので、「カネ」があれば、
「働きたくない者は、食べることもしてはならない」
とはいえなくなっている。
「カネがあれば、(額に汗して)働かなくても食べていい」
※聖書の時代から「働けるのに頑として働かない者」が一定数いたのだと思われる。だから聖書で戒めているのだろう。