川島博之『「作りすぎ」が日本の農業をダメにする』を読んだ。
フルタイムで働きたくない人には「朗報」だ。
本書によると、現在の世界は歴史的に「食料が余っている」状態だ。
食料品の価格が安く、「食うためにフルタイムで働く」必要がない。
年15日働くだけで1年間”食える”
なぜフルタイムで働く必要がないか、説明する。
本書で紹介していたコメを例にすると、
大人が1日に必要な熱量を2,500キロカロリーとする。
コメ100gの熱量は360キロカロリーだから、1kgでは3,600キロカロリーだ。
よって、2,500キロカロリーをとるには、コメを1日に695gほど食べる必要がある。
1年では、695(g) × 365(日) = 253,675(g)= 253.675(kg)。
コメの価格は一例として、Amazonで検索してヒットした「【精米】新潟県上越市産 特別栽培米白米 こしひかり 5kg 平成25年産」を使う。
価格は5kgで2,340円だった(2014年5月時点)。
1kgあたり468円だ。
よって、1年間生きていくのに必要な熱量をコメで摂取するとしたら、必要な費用は、
253.675(kg/年) × 468(円/kg) = 118,720(円/年)
バイトの時給を1,000円とすると、118,720円稼ぐのに必要な労働時間は、
118,720(円) ÷ 1,000(円/時間) ≒ 118.7(時間)
1日8時間働いたとすると、1年分の食費を稼ぐのに必要な日数は、
118.7(時間) ÷ 8(時間/日) ≒ 14.8(日/年)
1年間コメだけというのは飽きてしまうかもしれないが、「1年の食費を稼ぐ」だけなら年にたった15日だけ働けばいい。
時給が高ければ労働日数はさらに短くなる。今なら時給1,000円超のバイトはたくさんあるだろう。
コメばかりがいやならコメ代の一部を他の食材と置き換えたらいいし、新潟産コシヒカリばかりでぜいたくだと思うのなら、もっと安いコメにすればいい。
もちろん、人間が人間として生きていくには食費だけでなく、家賃、光熱費、医療費、税金、保険、娯楽費、交際費などがかかる。
しかしこれらの費用を積み上げても、本当にフルタイムで働く必要があるのか?
定年まで正社員で働く必要はない
もし食費だけでなく、ほとんどのモノが効率的に安価で生産できるなら、定年までフルタイムで働く必要はない。
20~30代の間、正社員でフルタイムで働いた我々は、40代以降はフルタイムで働く必要なんてない(莫大な住宅ローンを背負ったり、無駄に生活レベルを上げてしまったり、競争社会から抜けられない人はお気の毒としか言いようないが……)。
現代は世界史的にもモノがあふれていて安く手に入る時代になろうとしている。
誰もがフルタイムであくせく働かなくても自由に生きられるチャンスを与えられているのだから、最大限利用すべきだ。
「ちゃんと学校を卒業してちゃんと就職して40年もフルタイムで働かないと生きていけない」という洗脳が解けたら、もっとこの世は幸福になるはずだ。
※上記は2014年5月23日現在の、「原油・食料価格の高騰」や「ウクライナ戦争」がなかった比較的平和な時代の情報です。