竹内謙礼『ネットで儲ける王様のカラクリ ~物語でわかるこれからのWebマーケティング』を読んだ。
本業で儲からないからという理由でインターネットビジネスで一儲けして「一発逆転」を目論んでいる人は読んだ方がいい。
最近のネットビジネス業界の中身(惨状?)を小説形式で垣間見ることができる。
本当にネットは儲かるのか
本書で投げかけている疑問は、
- インターネットで物販すれば収益が上がるのか?
- FacebookやtwitterなどのSNSで集客できるのか?
- IT企業やコンサルタントの言うとおりにすれば本当に儲かるのか?
本書で一番強烈なメッセージは、
お金を稼ぐことを他人に依存してはいけません。
「お金を稼ぐ」いう、ビジネスでいちばん大事な部分を他人任せにしちゃいけない。WebサイトやSNSが本当にビジネスに役立つサービスなのか、自分で勉強して見極めなければならない。
安易に参入しても儲からない
結論を言えば、インターネットビジネスで一儲けできるような状態ではない。
無知な素人が参入して儲けられるような甘い業界ではないらしい。
むしろ、そんな「山っ気」のある素人からカネをむしり取る人たちがうごめいているのがWeb業界、インターネット業界なのだ。
本書によると「経営者をやりながらコンサルタントを兼業している人は怪しい」という。
「経営者でありながら、コンサルタント業を並行してやるって、オカシイと思わないか?本当に本業で稼げているのなら、コンサルタント業なんて効率の悪い仕事はやらないぞ。きっと本業のネットショップがジリ貧状態で金がないから、コンサルタント業をやって小銭を稼いでいるんだよ」
コンサルタントをやる理由は本業の穴埋めだけではなく、自己顕示欲が肥大しているから。
「そもそも、コンサルタント業をやりたがる経営者は、自分を誇示したがる人ばかりなんだよ。自分の成功体験談を、10倍、20倍に膨らませて、『俺って、すごい経営者なだろ?』って、自慢話をするだけで終わりだよ」
(中略)
ネットビジネスでの成功が、あたかも人生の成功者だと勘違いしている人がほとんど、自分がどれだけすごい人間なのか、誇示することに夢中になっている姿は、吐き気がするほど気分が悪いものだった。
(中略)
彼らは、ビジネススキルは低かったが、人の羨望の眼差しを受ける能力だけは人一倍高かった。
相手を見下し、偉そうに振る舞い、”俺はお前らとは違うんだぞ” というオーラを自然をかもしだす。それがほかの経営者の闘争心を煽らせることにひと役買っていた。
そんな自信過剰で自己顕示欲の塊のような経営者(兼コンサルタント)が競争するからこそ、市場が活性化するという。
一般人がネットで儲けるには
じゃあ、才能と運に恵まれた、頭のいいコンサルタントっぽい人だけしか儲けられないのか?
一般人がインターネットをどのように利用してビジネスの収益アップにつなげていくべきか。
ということを本書で学ぶことができる。
ネットビジネスも投資と同じで、「うまい儲け話はない」「仮にうまい儲け話があったとしても低料金で赤の他人に教えるお人好しはいない」。