ステマニュースサイトの終わりの始まり

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三田ゾーマ『ウェブニュース一億総バカ時代』 (双葉新書 2015)を読んだ。

ニュースサイトでてっきり「ニュース」だと思って読んでいた記事が、実は広告主から金品をもらって書いた「広告」だとしたら。

多くのニュースサイトにはびこる「ステマ記事」の実態を暴いた「ニュースサイトの中の人」の内部告発本だ。

あなたが”ニュース”や”報道”だと思って読んでいるものが実は”広告”かもしれない。多くのニュースサイトが、規制に入らないことをいいことにして多くのユーザーを”バカ”にして食い物にしている。この状況を放置して本当に大丈夫なのか?

p.172

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ニュースのような広告

通常、ニュースサイトの「広告記事」には「PR」とか「広告」とか、「この記事はニュースではなく広告主(実際は広告代理店)から依頼されて書いている記事ですよ」とわかる表示があると思っていた。

例えば、この記事が「広告記事」だとすると、記事タイトルのリンクは次のように表示されるものと思っていた。

ニュースサイトの終わりの始まりとなる本となるか?[PR]

が、中には何の表示もなくニュースなのか広告なのか見分けがつかない記事を掲載しているニュースサイトがあるという。

なぜ広告であることを隠すのかといえば、ページビューが稼げるからだ(つまりニュースサイトの利益になる)。「PR」と表示してあれば「広告記事」だとわかり、ユーザーに敬遠されてしまう。

もし、広告記事をふつうのニュース記事のように偽装すれば、ユーザーはニュースだと思って読んでくれるし、記事中に貼ってあるリンクから「広告主」のサイトに誘導できて個人情報登録や商品販売につながる可能性も高まる。

取締まる規制がない

現在、「ニュースのような広告」を「ニュース」であるかのように偽ってニュースサイトに掲示することについて、何の規制もなく、野放し状態らしい。ニュースサイトの業界団体もなく、自主規制もない状態のようだ。

著者はネットニュース業界の人みたいだが、「ニュースのような広告」(いわゆるステマ記事)を垂れ流す現状にかなり嫌悪感を持っている。

あなたたちニュースサイトが、”バカ”だと決めつけ、これまでさんざん騙してきたユーザーが、いつか世に大量に流布するステマ記事の存在に気づいたらどうなるだろうか?きっと、ユーザーはあなたたちのことを「匿名の掲示板と一緒」程度のくだらない・質の低い報道機関だと見下すようになるだろう。そう、今度は、あなたたちが”バカ”にされる番なのだ。

p.191

ニュースサイトの記事を読む時は、注意が必要だ。

ステマ記事がないと経営が成り立たない?

ネットニュースは新聞・雑誌と違って読むだけなら無料だ。新聞・雑誌のように読者から直接お金を取ることができないから、広告が大きな収入源となっているはず。

ニュースサイトのほとんどはステマ記事を大量生産してユーザーを騙し続けないと経営が成り立たないのだろうか。

広告主はステマ記事で客を騙して自社商品を売らないと経営が成り立たないのだろうか?

広告代理店はステマ記事をニュースサイトに発注してマージンを抜かないと経営が成り立たないのだろうか?

↓2015.6.8追記↓

広告はブロックできるがステマ記事はブロックできない

最近はサイトに表示される広告を嫌ってブロックをかけるユーザーが増えているそうだ。

ブラウザのアドブロック機能を使えばバナー広告はブロックできるが、ステマ記事はブロックできない。

広告をブロックするユーザーが増えてくれば、ステマ記事はニュースサイトの収入源としてますます増殖し、読者を騙し続けるのではないだろうか。

<帯>
ウェブニュースの読み解き方教えます

新聞と同じように考えてはいけない!
企業に都合よく作られた「広告」をあなたはバカ正直に信じてはいないか?

<参考サイト>
ステルスマーケティング (ニコニコ大百科(仮))

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