「早期退職して時間ができたから本を読む量が増えた」というのは間違いないのだが、もともと読書は好きだ。
「なぜ本を読むのか」という理由はいままで考えたことはなかったが、『バカにならない読書術』(養老孟司・池田清彦・吉岡忍著 朝日新聞社 2007)に面白い意見があった。本書を読めばかなり読書に深みが増す。読書という作業にムダがなくなる。不要な本を避けることができる。良書だ。
人間は一人ひとり違うという前提から入ると、本を一生懸命読むんです。人間は同じだという前提から入ると、違っているのが気にいらないわけです。たとえば、喫煙追放運動がどうしてあっという間にこんなに全体主義的になるのか、それに似ているでしょう。
要するに、気に入らないものを消してすべてを同じにしたがる。そうじゃなくて、人間ってこんなに違っていて話が通じないものなんだな、ということを感じている人ほど、人のことを知りたがるはずなんです。そこで本を読む。
pp.69-70
これは「本」を「ブログ」に置き換えても通用する。
ブログを読んで「人ってこんなに違っているんだな」と感じる。
本もブログも、自分の意見と違うことが書いてあるものにしか価値はない。
本書で言う「自分の人生に引っかかる」ような文章に出会えたら儲けものだ。