先日、当ブログに次のような質問をいただいた。
「早退の最大の敵はなんですか?」
おそらく、「早期退職を阻むものは何か?」というご質問だと思うので答えてみたい。
最大の敵は「早期退職には莫大な貯金が必要」という思い込み」だ。
早期退職後はそれほどカネがかからない
実際に早期退職してわかったことだが、ただ生活するだけならサラリーマン時代ほどカネはかからない。
退職後に必要がなくなる「サラリーマン時代の金食い虫」は3つ。
(1)ストレス解消費
サラリーマンを続けるということは「ストレスに耐え続ける」ということだから、「ストレス解消費」がバカにならない。カネのかかる趣味、ヤケ酒費、現実逃避のための旅行などなど。
(2)見栄を張るための費用
車、無駄に部屋が広いマンション、ブランド品、太っ腹をアピールするための費用、ステータス維持のための活動などなど。
参考記事:見栄を張るお金があるなら、貯金したほうがいい。仕事を辞めやすくなるから。
(3)無意味な交際費
強制参加の飲み会、2次会以降の飲み会……同僚同士で会って話すだけなのに何で毎回数千円もかかるのだ。
退職後はこれらがなくなるので、かなり支出は下がる。ポイントは「退職後はサラリーマン時代のような生活は必要ない」ということ。
老後に必要な貯金
退職後はカネはかからないが、サラリーマンのような定収入がなくなるから貯金が必要だ。
具体的にいくら必要か。
一つの試算が先日読んだ本、『問題です。2000円の弁当を3秒で「安い!」と思わせなさい: 〈新装開店版〉』(山田真哉著 小学館新書 2014)で示されていた。
くわしい計算根拠は本書を参照してほしいが、60~65歳から20年生きると仮定した場合に必要な貯金額は、
サラリーマンなら夫婦2人で60~65歳時点で2,000万円だった。
独身なら半分として1,000万円。
自営業(早期退職でセミリタイアも含む)なら、夫婦2人で4,800万円。
独身なら半分として2,400万円。
自営業やセミリタイアで収入があれば上記の金額から収入を引けば、さらに必要な貯金額は下がる。
主な収入はサラリーマン経験者なら老齢厚生年金・確定拠出年金。
あと、預貯金の利息、配当金など。
それでも不足するならバイトするとか。
もしシングルでセミリタイアしたとしたら、退職後から65歳の年金受給開始までに想定される収支をエクセルでシミュレーションして、65歳時点で2,400万円残っているように調整すればいい。
ただ、インフレ率や金利の変動があるから実際はシミュレーション通りにはならない点は注意。
大事なことは、「ざっくりと将来必要な金額を把握して、貯金不足だと思えば支出を見なおすとか収入を増やすとか今すぐ行動する」ということ。
すぐに高収入な会社に転職したり再就職するのは難しいから、まずは支出の見直しが現実的だ。