お金がない患者の治療費は医師が負担している現実

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金子哲雄『僕の死に方 エンディングダイアリー500日』 (小学館 2012)を読む。「肺カルチノイド」で41歳の若さで急逝した流通ジャーナリストの500日間の闘病記。

最も心に残ったのが、著者が医師からきいた地域医療の現実。

「この10年、治療費を支払えない患者さんが急増していると感じます」

治療費が払えない患者だからといって、人道的な観点からも、診察をしないということはない。ただ、患者さんが支払うことができない治療費は、ドクター個人が負担しているのが現実だった。

(中略)

「先生、今日はお金がなくて治療費が払えなくてすみません。代わりにこの漬物持っていってください」といったことを言われることも少なくないと聞いて、自分は経済に関わる仕事をしていながら、そんな実体も知らなかったのかと思った。

p.148


これは、「お金がなくても医者に泣きついたら無料で治療してもらえる」という「お得情報」ではない。実質的には患者が医師に借金をしていることになる。

いつかは返さないといけない。

寿命が長くなればなるほど、貧困化のリスクは大きくなる。

長生きしたとして、医療費をどのように工面すればいいのか、本当に今の医療費は適性なのか、色々と考えさせられる一冊だった。

著者からは、彼のさまざまな著書で「お金の大切さ」と「結局、好きなことして稼ぐことが一番利益が大きい」ことを学んだ。ありがとうございました。

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