苫米地英人『《思いのままにお金を集める》 Dr.苫米地式資産運用法なら誰もが絶対にrichになれる!』(ヒカルランド 2015) を読んだ。
タイトルがちょっと「安易な金儲け本」をイメージさせるが、中身はけっこう深い。
深いと思った点は3つ。
①仕事とお金儲けはまったく別物で、何の関係もない
②サラリーマンは一番稼げない仕事
③”rich”になりたければお金を持つな
仕事とお金儲けは別物
「お金を稼ぐためには仕事をしなければいけない」と思っていた。
「就職していい仕事をして認められれば、報酬としてお金がもらえる。
逆に、仕事をしなければお金はもらえず、後ろ指をさされて貧乏になる。」というのが世間一般の考え方だと思う。
でも、本書によるとこれはまったくの誤りだという。
仕事とお金儲けは別物で、何の関係もない。
仕事をしなくてもお金儲けができる。
つまり、仕事をしているから収入があって、無職(またはリタイア)だから収入がない、というのは大間違い。
「仕事」と「お金儲け」をわけて考える、というのが目からウロコの考え方だった。
例えば、ブログを書いていて収入がゼロであっても、ブログを通して自分の機能を世間に提供できているのなら、仕事は「ブロガー」ということになる。
ただし、「ブログを金儲けの道具」だとみなしてしまうと、ブログを書くことが苦しくなる。
ブログを書く「仕事」と、「金儲け」はわけて考える。
「お金儲け」とは「キャッシュを集めること」であり、仕事の対価ではない。
サラリーマンは一番稼げない仕事
お金を稼ぐためにすぐ思いつくのは「サラリーマンのように雇われて給料をもらう」ことだ。
わたしも、20年近くそうしてきた。
「就職して正社員になって安定収入があることが豊かな人生を送る唯一の方法だ」と信じてきたからだ。
しかし、本書によるとサラリーマンは一番稼げない仕事だという。
なぜなら、サラリーマンの唯一の売り物が「生命時間」だからだ。人生の持ち時間を「時給いくら」で切り売りしてお金をもらう。本書によると、これが「一番非効率なお金儲け」だという。
サラリーマンとして生命時間を切り売りしている時間は大してお金儲けできない。
長時間労働すればするほど、richからどんどん遠ざかっていく。
もし、せっかくセミリタイアできたのに再就職してしまったら、richにはなれない。つまり、ますます貧乏になる。
”rich”になりたければお金を持つな
Richとは何だろうか。日本語では「お金持ち」と訳されるが、これが誤訳だという。
お金持ちといえば、「現金・預金をたくさん持っている人」というイメージがあるが、現金・預金はインフレで確実に目減りするので、そんなのを資産としてたくさん持っていてもrichではない。
Richとは「豊か」ということである。「豊か」になるために現金をたくさん持つ必要はない。
では、どんな資産を持てばrichな人生を送ることができるのか、そのためには何をすればいいのか。
詳細は本書で。
資本主義社会を上から、裏からのぞき見ることができた一冊だった。
本書は仕事を否定しているわけではない。仕事をお金儲けの手段だと考えている限り、仕事にやりがいを見つけるのは難しいし、いつまでたってもrichにはなれない、と言っているだけだ。