先日、こんなコメントをいただいた。
早期退職に備えて投資の勉強を始めたいと思いました。
貴殿の推薦本を教えていただけますか。
読む順番まで指定いただけるとありがたいです。
このコメントを読んだ時に、「投資」と書いてあるから「株式投資などのリスク資産への投資」だと思ったのだが、ひょっとしたらスキルアップの自己投資かもしれない。
ただ、本記事では「投資 = 株式投資」としたい。
早期退職して、セミリタイア生活を楽しむために金融資産の一部を株式投資で運用することを想定する。
まずはこの1冊を読む
早期退職を目指していたサラリーマン時代に読んで良かった本が、
チャールズ・エリス『敗者のゲーム』(日本経済新聞社, 1999)
だった(本書の2018年3月12日時点での最新版は第6版となっている)。
本書を買う決め手となった一文は、
投資に関するほとんどの「ハウツー」ものの本は、個人投資家がプロの投資家に勝てるという幻想を広めている。しかし、現実にはそんなことは不可能である。
p.9
「素人が自己流の投資法で資産を増やせる」という幻想は捨てないといけない。
本書は「だれでも簡単にあっという間に株で○億円儲ける方法!」的な本とは一線を画す。
早期退職してセミリタイア生活を送るための資金は、慎重に運用しなければならない。
運用方針を決める
本書で学んだ一番大きなことは「運用方針を決めろ」ということだ。
方針というのは「投資の目的」だ。
何のために投資するのか、紙に書き出す。
運用方針を決める理由は「暴落が来てもあわてない」ためだ。
日々の株価変動や経済ニュースに一喜一憂して、暴落した時に投げ売りしたりするのを防ぐためだ。
わたしが最初に書いた「運用方針」は次のような簡単なものだった。
3年分以上の生活費を現預金で保有する。
……簡単すぎる。それに、株式投資じゃなく現預金で保有することになっている(笑)。
株式投資を始めた時は、「株は怪しい」「株は怖い」というイメージが大きかった。
ポートフォリオの策定
次に本書で学んだのが「ポートフォリオ」を策定することだった。
「ポートフォリオ」を策定するというのは、保有している金融資産のうち、現預金は何%、株は何%持つのかを決めることだ。
わたしが10年以上前に最初に作ったポートフォリオの目標値は次のようなものだった。
現預金 60%
株 20%
国債 10%
外貨 10%
まだ、金融資産のほとんどを現預金で持っていた時代に作ったポートフォリオ目標だから、かなり現預金の割合が大きくなっている。
このポートフォリオ目標を作った当時は「徐々にリスク資産を増やしていこう」くらいの気持ちでいた。
現在のポートフォリオは
セミリタイア生活の金融資産ポートフォリオ(2018年12月) – SOUTAi 40
を参照してほしい。
コメントには「読む順番まで指定いただけるとありがたいです。」と書かれていたが、あまり大量に本を紹介しても消化しきれないだろう。
まずは株式投資初心者に最もオススメの1冊を紹介するにとどめる。