<中年フリーター>氷河期の非正社員ら、歯止めかからず273万人に (2015.8.4 毎日新聞)
という記事を読んだ。
一生続く就職差別
ポイントは、「就職氷河期に正社員として就職できず、アルバイトや派遣などの非正規雇用で社会人をスタートした人は一生差別される」という点だ。
「新卒一括採用」が今なお企業の主体である日本では、就職時に派遣社員などの形で非正社員として採用されると、中途で正社員に転換することはなかなか難しい。
つまり、「正社員」の「正」とは「新卒一括採用で採用された」ということなのだ。
新卒一括採用で入社した社員は「正」で、それ以外は「非正」という差別が存在している。
正社員でスタートすればずっと正社員で、転職しても正社員で処遇されるが、非正規社員でスタートしたらずっと非正規社員のまま。
どのようなスタートを切ったかで一生が決まってしまうという、恐ろしい世界だ。
安保法制なんかより、「正社員」「非正規社員」の身分制度の方がよっぽど大きな問題だ。
まずは家計の管理
記事では、
正社員への転換を後押しする制度作りなどに社会全体で取り組む姿勢が求められている。
と書いてあったが、正社員ってそんなにいいものだろうか。
わたしは20年ほど正社員を経験したが、そんなにいいものとは思わなかった。
すでに終身雇用が崩壊しているんだから、今までのように正社員にこだわる必要はない。
正社員に夢や希望を託し過ぎるのはやめたほうがいい。
もし、正社員になるだけでバラ色の人生になるなら、わたしもまだ正社員を続けていただろう。
フリーターで生活が苦しいのなら、正社員になったらもっと苦しくなる。
ほぼ間違いなく金遣いが荒くなるから。
もしフリーターから正社員になれることが内定したら、何を思い浮かべるだろうか?
脳内の「ほしい物リスト」にあるモノを片っ端から買うことじゃないだろうか。
今よりももっと広くて快適なマンションに引っ越すことじゃないだろうか。
これは危険だ。
収入が増えて安定しても生活レベルを上げてしまったら、フリーター以上に経済的に苦しくなる。
収入を増やす前に、まずはお金の出入りを管理することから始めた方がいい。