『やせたければ脂肪をたくさんとりなさい ダイエットにまつわる20の落とし穴』(ジョン・ブリファ(著), 江部康二・夏井睦(監修), 大田直子(訳) , 朝日新聞出版, 2014)を読んだ。
健康で低体重でいるための読書だと思えば安い投資だ。
著者のジョン・ブリファはイギリスの医師で、食事療法・体重管理・健康管理の第一人者だ。
脂肪をとればやせられる?
ダイエットの神話をくつがえす
わたしは本書のタイトルに惹かれた。
ダイエットしたければ脂肪をたくさんとれ?
ホンマかいな。
本書では「脂肪をとるな」「カロリーを制限しろ」といった従来のダイエットの「神話」をくつがえす。
わたしは日記に毎日食べたものとカロリーを記録する「レコーディングダイエット」をやっている。
「カロリーを制限すれば体重は減る」と思っていたからだ。
しかし、本書では
「体重はカロリーの数値だけでは決まらない」
という。
食べたら「熱」として出せ
例えば、100kcalの食品を食べたとしても、100kcalの熱量がすべて体内に残って「体重」となるわけではない。
効率的に代謝できれば、「体重増加」の原因とはならない。
代謝、つまり「熱」として体外に出ていけば「体重」として体内にはあまり残らない。
体重を効率的に減らしたければ、食事の質に注意を向ける。
具体的には、体内に「体重」として残りやすい食品を避け、「熱」として体外に出て行くような食品をとる。
では、何を食べれば効率的に体重を減らすことができるのか。
これはネタバレになるので本書を参照してほしい。
肉・ナッツ好きには朗報
とはいえ「ネタバレになるから本を読め」では味気ないので一例を上げる。
「ダイエット中でも食べてもいい食品」の中でも「無制限に食べてもいい」ものの中に「肉(未加工)」と「ナッツ」が入っていたのは嬉しかった。
わたしが好きな食べ物だからだ(笑)。
特に「ナッツ」は「高カロリーだから控えるべき」と思っていたから嬉しい。
ナッツは太るもとだと言われますが、《落とし穴4・低脂肪食は減量に効果なし》でわかったように、これは根も葉もないうわさであり、実際にはその逆がおおむね真実のようです。
ナッツは、マグネシウム、カリウム、銅、ビタミンE、一価不飽和脂肪などの栄養素に富んでいて、これらはすべて心血管の健康に良いものです。
pp.190-191
これからは遠慮せずナッツを食べることにする。
目次
監修者まえがき―江部康二
はじめに
落とし穴20の概要
落とし穴1 食事制限によるダイエットはうまくいかない
落とし穴2 カロリー制限は減量を失速させる
落とし穴3 カロリー制限は病気にかかりやすくなる
落とし穴4 低脂肪食は減量に効果なし
落とし穴5 体重はカロリーの数値だけでは決まらない
落とし穴6 炭水化物で満腹感は得られない
落とし穴7 肥満の原因は「頭のなか」にある
落とし穴8 低炭水化物は減量効果が高い
落とし穴9 新入りの栄養素が私たちを不健康にしている
落とし穴10 食事脂肪は健康に不可欠
落とし穴11 コレステロール値が下がると死亡リスクが上がる
落とし穴12 穀物は栄養価がきわめて低い
落とし穴13 人工甘味料は肥満の原因になる
落とし穴14 乳製品は骨の健康に役立たない
落とし穴15 間食はしてもかまわない
落とし穴16 食べていいもの、いけないもの
落とし穴17 飲んでいいもの、いけないもの
落とし穴18 食べすぎは問題にならない
落とし穴19 有酸素運動は減量に効果なし
落とし穴20 定常的運動より間欠的運動がいいまとめ
監修者あとがき―夏井睦
情報源リスト
原注