岡田尊司『働く人のための精神医学』(PHP新書 2013) の読書記録の続き。
本書の「もっと自由に生きていい」という見出しの文章は、わたしが早期退職するプロセスが書いてあるような感じがした。
「サラリーマンには向いていない」とわかっても、お金や世間体の問題があり、簡単には退職できない。
だから、わたしも当初は「無理してでも環境に合わせよう」と努力(我慢)した。
無理しても長続きしない
しかし、無理して周囲に合わせようとしても長続きしない。
あの手この手で適応を図っても、その人にとって、どうしても合わない環境というものがある。価値観や嗜好、生き方といったものは、合わせようとすればするほど、無理を生じる。
p.151
20~30代は「若さ」という勢いで無理がきいたが、40歳を過ぎた頃から「無理」が我慢できないレベルに達した。
うわべでは、合わせることができたとしても、心のなかには、何とも言えない違和感や軋みが残り、それが積み重なっていく。長く我慢すればするほど被害が大きくなり、後でやり直すのが大変という場合もある。若いころならまだやり直せたのに、我慢したばっかりに、年を取ってしまい、やり直すこともできなくなるという場合もある。
p.151
わたしの場合、「やり直しがきく年齢は40代」だと直感して、40代前半で早期退職することにした。
これは個人差があるので、50代、60代でもやり直しがきくという人もいるだろう。
世間体の維持は人生のロス
まったく身動きできない状態が長く続いているのに、周囲の期待や世間体のために、その環境にしがみ続けるということは、人生のロスである。潔く諦めて、次のチャレンジをするということも大事だ。
p.152
早期退職したいけど、「収入が減る」「家族や親戚に反対される」「近所の目がある」「無職だと世間体が保てない」と言った理由で「今の環境にしがみつき続ける」のは「人生のロス」だと言い切る。
「人生のロス」とは「人生の持ち時間が減る」「不健康」という意味だ。
周囲に合わせるだけのために、自分が犠牲になるなんてバカバカしい。
「人生のロス」をどうやって最小限にすればいいのか、本書には国内外の有名人の実例を含めてたくさん紹介されているので、自分に合った方法を試してみれば良いと思う。