サラリーマン時代、早期退職に興味を持った、というよりあこがれた理由は、退職していく人たちの眼が輝いていたからだ。
会社員をしている時、退職する人が最終出勤日に挨拶をして回っている光景を何度も見た。
みんな、笑顔がはじけていた。
会社を辞めると幸せになる?
いつも暗そうな雰囲気をかもしだして仕事をしていた人が、退職が決まって最後の日にあいさつ回りをしている。
すごくニコニコしていて、心の底からの笑顔で挨拶して回っていて、衝撃を受けた。
「え、あの人ってあんなに明るかったの?」
とびっくりした。
「他の社員とコミュニケーションをとるのが苦手そうな人」だと思っていた社員が、最後のあいさつ回りでは、たくさんの同僚と「何十年来の親友」と話すように眼を輝かせて陽気に語り合っている。
ひょっとして、「会社を辞めると幸せになれる?」
と、わたしは考え始めた。
彼らは「暗い人」でも「コミュ障」でもなかった。
単に「会社が嫌い」なだけではなかったのか?
どんな人でも「嫌な場所」に居続けると、暗くなるし、他人と話すのも嫌になる。
「居場所」を変えればいいだけなんじゃないか。
退職者が憧れに
会社を辞める理由はさまざまだ。
定年、転職、起業、結婚、妊娠、セミリタイア……。
どんな道を選んでも、辞めた後の成功が保障されているわけではない。
でも、最後のあいさつ回りをしている人のキラキラした眼と明るさを見せつけられたら「自分もあの人のようになりたい」と思った。
退職を決めて、心の底から笑って、明るくなって、安心して、将来に眼を輝かせるような人に。
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