猛暑日に『マキアヴェッリ語録』を読んで頭を冷やす

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今日は猛暑日(35℃超)だった。

暑かった。

こんな暑い日はのんびり読書……ということで『マキアヴェッリ語録』(塩野 七生(著), 新潮文庫, 1992)を読みなおした。

日本語で読めるマキアヴェッリの名言集としてはおそらく最も秀逸な本だと思う。

サラリーマン、自営業、起業家、投資家、、、どんな職業であっても、おそらく無職であっても本書を読めば必ず何らかの役に立つと思えるほどおすすめの本だ。

わたしは就職してまもないころに読んだ。

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身も蓋もない名言

マキアヴェッリの良いところは、口に出して言いにくい「処世術」をズバッと言ってくれるところだ。

つまり、研修やセミナーでは学べないことが学べる。

例えば、「君主にとっては、愛されるのと怖れられるのとどちらが望ましいであろうか」という問いがある。

「君主」を現代風に「リーダー」「管理職」「経営者」と読み替えてもいい。

マキアヴェッリは「愛されるより、怖れられよ」と言う。

なぜなら、人間には、恐れている者よりも愛している者のほうを、容赦なく傷つけるという性向があるからだ。

人間というものは、恩義の絆で結ばれている愛情などは、利害がからむとなれば平然と断ち切ってしまうものである。一方、恐怖でつながれている場合は、復讐が怖ろしく、容易には断ち切れないものなのだ。

p.87

君主と家臣、上司と部下、いじめっ子といじめられっ子の関係にも通ずる、普遍的な法則だ。

本書は3部構成で、「君主篇」は76個、「国家篇」は50個、「人間篇」は57個、合計183の金言が散りばめられている。

一番好きな名言

本書の中でわたしが一番好きな言葉は、

中くらいの勝利で満足する者は、常に勝利者でありつづけるだろう。

反対に、圧勝することしか考えない者は、しばしば、陥し穴にはまってしまうことになる。

―『フィレンツェ史』―

pp.239-240

確か、武田信玄の言葉にも「五分の勝ちが一番」というのがあったと思う。

人間、あまりにも完璧過ぎる勝ち、つまり自己承認欲求を完全に満たすような「圧勝」を目指すと、「落とし穴」に落ちちゃうよ

5勝5敗で致命的な負けがなければ、それで「良し」とする。

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