貧乏人と思われたくない心理がますます貧乏を引き寄せる

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多湖輝『お金の心理術』(ゴマブックス, 2014)を読んだ。

著者は『頭の体操』シリーズで有名なので、知っている人も多いと思う。

本書は「お金を貯めるには”貯め方”よりも”付き合い方”が大事」と説く本だ。

お金の貯め方・増やし方のノウハウを知っただけではかならずしもお金が貯まるわけではない

人間はお金が絡むと心や行動に大きな影響を受けやすい。

本書はお金が人間の心理や行動にどのような影響を与え、その結果、貯金ができたりできなかったりするのかを81個の例で解き明かす。

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「安物買いの銭失い」はウソ?

本書で一番共感したのが「お金のない人ほど、安いものを買うことに強い心理的抵抗を感じる」という法則だ。

本書を読む前は「『安物買いの銭失い』というから、お金のない人ほど安い粗悪品ばかり買って、かえって高コストになるんじゃないの?」と思っていた。

しかし、著者の知人の大金持ちは「金持ちほどケチだ」と言っているそうだ。

金があればあるほど安物を買うというのだ。

金持ちほど質素でお金を使わず、金のない人ほど贅沢をしたがる傾向があるのだが、なぜかといえば、金のない人にとっては、安物を買うことには、強い心理的抵抗が働くからである。

つまり、「安物を買う → みじめ&バカにされるかも → 劣等感を感じる」という心理状態を回避するために、お金のない人ほど安物を避ける、というのだ。

一方、金持ちは安物を買うことで劣等感を感じないから、品質や機能に問題がなければ堂々と安い方を買う。

考えてみれば、実利をとるのはごく当たり前のことなのだが、それができないところが、金のない人間の悲しい習性といえようか。

無駄に見栄を張り続けると、いつまでたってもお金が貯まらないということですな。

お金を合理的に扱うのは難しい

本書を読んで思ったのは「お金を”合理的”に扱うのは難しい」ということだ。

人間はお金が絡むと「見栄」「プライド」「劣等感」「ライバルより優位に立ちたい欲」「将来不安」のような心理が脳内にモワーッと広がって、合理的かつ事務的に情報を処理できなくなる。

ついつい、使わなくてもいいお金を使ったり、過剰な貯蓄に走ったり、ギャンブルや浪費がやめられなくなったりする。

本書を読めば、人間はお金を前にするといかに非合理であるかがわかる。

自身のお金に対する非合理さに気づくだけで、かなり無駄な支出を抑えられて貯蓄しやすい体質になる

と本書を読んで感じた。

(本書では「人間のお金に対する非合理さを利用して貯金する方法」も紹介されている。蓄財においては「合理的 = メリット」とはいえない。)

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