台風21号が通過していた真夜中(2017年10月23日 3時頃)、風の音がうるさくてあまり眠れなかった。
仕方なく、本棚を見て最初に目についた本を取って読んだ。
本は『経営分析の基本がハッキリわかる本―「会社の数字」がわかれば一生食うに困らない! 』(千賀秀信(著), ダイヤモンド社, 2000)だ。サラリーマン時代に買った本だ。
「会計の本を読めばすぐ眠くなるかもしれない」という期待もあった。
企業価値を上げる方法
本書によると、会社の価値を上げるにはキャッシュフローを増やさなければならない。
キャッシュフローを毎年たくさん生む会社は、それだけで価値が高いと考えられます。
p. 174
特に「フリーキャッシュフロー」を増やさなければならない。
「フリーキャッシュフロー」とは「営業キャッシュフロー」から「投資キャッシュフロー」を引いた数値だ。
ざっくり言えば、事業で稼いだキャッシュから設備投資に必要な分を差し引いた残りのお金。
「フリーキャッシュフロー」が多いと、「資金に余裕がある会社」と評価される。
資金に余裕があれば、「株主への配当」「借金の返済」「思い切った投資・研究・開発」など、いろいろなことができる。
個人でも「自由に使えるお金」がたくさんあれば、将来の選択肢をたくさん持てる。
例えば「転職」「独立・起業」「海外移住」、そして「早期リタイア」とか。
内部留保を取り崩せ
会社がフリーキャッシュフローを増やすと、デメリットもある。
日本の野党から「内部留保を取り崩して社員に還元しろ!」と言われる。
つい最近も衆議院選挙(2017年10月22日投開票)があった。
「内部留保を取り崩せ」とか「内部留保に課税する」といった公約があった。
企業価値を下げろと?
もし、会社が手持ちのキャッシュ(現預金)を社員に給料として支払ったらどうなるか。
経費が増えるのでフリーキャッシュフローが減っていく。
企業価値を上げるためにフリーキャッシュフローを増やしたのに、減らしたら企業価値が下がる。
「内部留保を取り崩せ」という言葉は「企業価値を下げろ」という言葉と同じだ。
まともな経営者や株主は、誰も聞く耳を持たない。
ダイヤモンド社
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