地学のベストセラー本『日本列島100万年史 大地に刻まれた壮大な物語』(山崎 晴雄(著), 久保 純子 (著), 講談社ブルーバックス, 2017)を読んだ。
今日(2018.1.17)は阪神淡路大震災から23年。
本書の「神戸と兵庫県南部地震」を読んで、「神戸の揺れ」が強かった原因がわかった。
簡単に言えば「虫眼鏡で太陽光を集めて紙を燃やす実験」と同じ原理だ。
断層ずれがなくても大地震となる
阪神淡路大震災を引き起こした兵庫県南部地震は、断層がずれることで強い揺れを引き起こした。
しかし、神戸の市街地には「断層のずれ」はなかった。
地殻変動のなかった神戸に、なぜ大きな揺れが襲ったのか。
原因は神戸の地下の地層が2種類あることだった。
神戸の地層
神戸市の地下は「花崗岩の基盤」と、その上に堆積した土から成る「大阪層群」の2種類でできている。
地震波は「花崗岩の基盤」から「大阪層群」を伝わって地上の市街地に達した。
「花崗岩の基盤」の岩石は「大阪層群」の岩石よりも硬い。
地震波が硬い地層から柔らかい地層を突き抜けるとき、波の速度が遅くなる。
地震波の屈折
波の速度が遅くなると「屈折」が発生する。
そう、「虫眼鏡で太陽光を集めて紙を燃やす」ときに「光の屈折」を利用するのと同じように、屈折した地震波が神戸市街に集中した。
(詳しい図は本書p. 208の図6.2.2を参照)
地震の多い日本で生き抜くには、本書にあるような地学の知識が必須なのだなと改めて認識した。