セミリタイア生活の大きな課題が「国民健康保険料」だ。
配当・利子所得の税金を取り戻すときに国民健康保険料(介護保険料も含む)をいかに増やさないか。
例えば、ブログ等で自営業をやっているセミリタイア生活者が事業で赤字が出たとする。
そのセミリタイア生活者は、株式投資(上場株や投資信託)の配当金や国債の利息を得ているとする。
その場合、株式投資の配当金や国債の利息と事業の赤字を合算することにより、配当金や利息の源泉徴収された税金(所得税・住民税)を取り戻せる。
具体的には確定申告で配当金や利息を記載する。
ただし、大きなデメリットがある。
確定申告に記載した配当金や利息は「所得の増加要因」となるので、国民健康保険料が増加することになる。
「税金は戻ってきたけど国民健康保険料がそれ以上に上がったので結果的に損した」となる可能性がある。
国民健康保険料を増やさずに配当・利息の税金を取り戻したい。
そんなときに使えそうなのが「住民税の申告不要」だ。
将来、使うかもしれないので勉強してみた。
住民税の申告不要とは
「住民税の申告不要とは何か?」
次の資料を読んで勉強してみた。
参照上場株式等の住民税の課税方式の実質見直し(大和総研「税制 A to Z」)
ここからは配当金の源泉徴収分の税金を取り戻し、かつ国民健康保険料も上げない方法に絞って説明する。
実は「申告不要」と言いながら、申告書を2種類作成する必要がある。
- 税務署に提出する確定申告書(配当金を記載)
- 自治体(市町村)に提出する住民税の申告書(配当金を記載しない)
「申告不要」の由来は、自治体に提出する申告書に配当金について記載しない、つまり住民税の申告では配当金の記載(申告)は不要ということによる(決して「申告自体が不要」という意味ではない)。
自治体に提出する申告書には配当金は記載しないから、国民健康保険料の算定基準に含まれない。
だから、国民健康保険料は上がらない。
自治体で対応法が異なる?
「住民税の申告不要」の制度を使うには自治体の窓口で「所得税と異なる課税方式を選択」することを伝える必要がある。
つまり自治体の窓口で「確定申告とは異なる内容の申告書を提出します」と告げる。
まだ始まったばかりの制度なので、自治体ごとに対応方法が異なるみたいだ。
「住民税の申告」をどのようにすればいいかは居住する自治体のサイトで調べるか担当者に尋ねてみるしかないようだ。
今後はこのルールが周知されて住民税の申告方法も明確になってくるのではなかろうか。
参考記事
上場株式等の住民税の課税方式の実質見直し(PDF)(大和総研「税制 A to Z」)
上場株式等の住民税の課税方式の解説(法改正反映版)(PDF)(大和総研「税制 A to Z」)
【超朗報】上場株式等の配当の課税方法、実質見直しで所得税と住民税を別々に分けることができる!【配当生活に追風】(ひとり配当金生活-株式投資でセミリタイア)
平成29年度税制改正(財務省)
配当所得は所得税では総合課税で、住民税では申告不要にすれば有利になるケースとは?(やまばた税理士事務所)
株式譲渡所得と配当所得について所得税と住民税で異なる課税方式を選択できる!?(BLOGOS)
確定申告で配当課税の一部を取り戻す方法 | 内田衛の日々是投資(東洋経済オンライン)
※上記は2018年2月27日現在の情報です。税制は最新の情報を参照してください。