意外に間違いやすいのが「お金に関する平均値」の計算だ。
わたしのセミリタイア資産を例に考えてみたい。
わたしが退職した年(2011年)から直近(2019年)の、年末時点の純金融資産は次の表のとおりだ(2011年末の純金融資産を100とする)。
2011年度から2019年度までの8年で、純金融資産が100から131に増えた。
増加率は31%だ。
このとき、年平均成長率は何%か?
やってしまいがちな間違いは、
「増加率」÷「年数」 = 31 ÷ 8 ≒ 3.875 %
と計算してしまうことだ。
正解
正解は3.43%だ。
年平均成長率をxとすると、100に(1 + x)を8回掛けて131になるから
$$100\left( 1+x\right) ^{8}=131\\ \left( 1+x\right) ^{8}=1.31\\ 1+x=1.31^{\frac {1}{8}}\\ x = 1.31^{\frac {1}{8}} – 1= 0.0343295015$$
よって、年平均成長率は3.43%となる。
複利で考える
「8年間の年平均成長率が3.43%」とは、「年利3.43%で8年間複利運用した場合」と同じだ。
増加率を年数で割った「3.9%」で8年間複利運用すると100が135になってしまい、実際の値の131をオーバーしてしまう。
casioの計算サイト(keisan)の「年平均成長率」でも検算してみた。
参考文献『ビジネス数学入門〈第2版〉』(芳沢 光雄(著), 日経文庫, 2018) pp. 116 – 118 「3種類ある平均と加重平均」