『龍馬史』(磯田 道史(著), 文藝春秋, 2010)を読んだ。
本書を読んで初めて知ったのが、
「龍馬はお金持ちの家のお坊ちゃんで、一生お金に困らなかった」
という事実だ。
だから早期リタイアして日本史に残るような活動ができた。
金持ちの家のボンボン
坂本龍馬が生まれた坂本家の本家である才谷家は、土佐で指折りの豪商だった。
つまり大金持ちだった。
子どもの頃は500坪(1,650平米)の豪邸に住んでいたそうだ。
才谷家は商人の家だったが、分家である坂本家は土佐藩の下級武士である「郷士」を務めていた。
なので坂本龍馬も土佐藩の下級武士となった。
サラリーマン生活になじめず早期リタイア
武士は身分社会だ。
龍馬は下級武士なので、上級武士には無条件にペコペコしないといけない。
19歳で江戸に剣術修行に出たとき、土佐藩の江戸藩邸に住むことになった。
彼は下級武士だから、何人かの同僚と狭い部屋で寝起きすることになった。
上級武士は個室が与えられていたので「身分差別」を実感していた。
500坪の豪邸に住んでいた金持ちの家のボンボンが、尊敬できない人にペコペコしたり、狭い部屋で寝起きしたりという自由の少ないサラリーマン生活が合うわけがない。
だから、早々に土佐藩を辞めた(脱藩した)のだ、とわたしは感じた。
今風に言えば「公務員を早期リタイア」した。
早期リタイアしても実家が大金持ちなのでお金に困らない。
お金があるのは当たり前
龍馬は生まれながらに「お金持ち」だった。
土佐藩を辞めても実家からの援助があっただろう。
なので、生涯お金に困ったことがないのだ。
「お金があるのが当たり前」という人生を送ってきた。
お金があるので自由がある。
なので、日本史に残るような活動を自由にできた(もちろん、お金だけでなく「実行力」や「リーダーシップ」もあったからだ)。
と、本書を読んで感じた。
※ヘッダの写真は京都の円山公園にある坂本龍馬と中岡慎太郎の像(2017年4月当ブログ管理人撮影)